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『南の島のまりさたち』『南の島の生命賛歌』の続編です。 読みにくいところが多いと思いますが、ゆっくりしていただければうれしく思います。 独自設定多めです。ご注意ください。 南の島のまりさ3 『南の島の葬送行進曲』 目の前に目が爛々と輝く化け物がいる。 化け物の輝く目は成体れいむの少し上あたりにあった。 化け物はその口に父まりさをくわえている。 化け物はただひたすら、その場で歯を食いしばるようにまりさに噛み付いていた。 一撃で中枢餡を貫かれたのであろう、最初のうちこそ、ゆ、ゆ、と痙攣していた父まりさはすぐ に動かなくなった。恐怖で動けない、父まりさの家族を尻目に、化け物は悠然と歩み去っていっ た。化けものがいたところには、父まりさの餡子がわずかに落ちているだけだった。 「ま、ま、ばでぃざああああ!ゆっぐちがえっでぎでええええ!」 「「ゆええええん!!ぴゃぴゃああああ!!!」」 母れいむと赤ゆたちの絶叫が海岸に響きわたる。 そのときだった。 「んごおおおおおおぉぉ!」 先程の化け物の鳴き声だろうか、不気味な鳴き声がアダン林の方から響いてきた。 「んごおおおおおおおお!!」 別方向からも同様の鳴き声が響いてきた。 「んごおおお!!」 それに答えるように先程の化け物らしき声が響く。 「何してるの!ゆっくりしないで巣に入ってね!ぴかぴかだよ!!」 やっと我に返った老ありすが叫ぶと、外に出ていたゆっくりたちは一斉に巣の中に入っていった。 ぴかぴか同士の鳴き声の応酬はそれからしばらく続いた後にぱったりと途絶えた。 翌朝、いつまでも泣いていた母れいむは気がついた。 ご飯さんを採ってきてくれるゆっくりがいないことに。 子れいむにご飯を取ってきてくれるよう促したが、 「はああ?ばばあはなに言ってるの!?親は子を養うのは当たり前でしょおおおお!!さっさと ごはんさん採りに行ってね!甘えたこと言ってる場合じゃないんだよおおおお!ばかなの!?」 子まりさはこの子れいむと同じくらいのサイズの頃には、既に父まりさと一緒に狩りや漁に出か けては家族のためにゆっくりできるごはんさんを持ってきてくれたものだった。ふと、どこで何 をしているか分からない我が子の身を案じ、涙がこぼれてしまった。 「みゃみゃなんで泣いているの?」 「わらってー!みゃみゃ、わらってよー!」 「みゃみゃがかなしいとまりさもかなしくなるよ!ゆええええん!」 赤ゆたちが母れいむを気づかう。昨日まで四匹いた赤ゆは、一匹がぴかぴかの恐怖のあまり一晩 中しーしーして永遠にゆっくりしてしまい、三匹になっていた。 「なに泣いているの!?泣きたいのはこっちだよ!もういいよ!れいむはえらいんだよ!みんな がきゃわいいれいむを大事にしたがるんだよ!こんなきちゃない家でていくよ!ばばあとうるち ゃいがきどもはゆっくりちんでね!ばーかばーか!」 「おねーちゃん!なんじぇそんにゃこちょゆーの!もんきゅゆーなら、おねーちゃんがごはんさ んとっちぇくればいいじゃない!!」 涙目の赤まりさが母れいむをかばう。 「はあああああ!?なんじぇれいむがそんなごとしなくじゃいげないのおおおお!?なめたくち きかないでねええ!このきんぱつのこぞぉっ!!じぶんじゃなにもできないくせにいいいい!!」 子れいむは増長していた。りーだーである若ぱちゅりーが子れいむを嫌いながらも丁重に扱った のは、親の父れいむに小さい頃から世話になっていたからだった。そして、その他のゆっくりが 子れいむを大切に扱ったのは、子れいむが若ぱちゅりーも一目置く側近に見えたからだった。 虎の衣を借る狐は、虎がいなくなっていることにまるで気づいていなかったのである。 若ぱちゅりーは子れいむに会おうともしなかった。 「むきゅ!ぱちぇは忙しいの!れいむなんかと会ってるひまはないわ!帰ってちょうだい!」 若ぱちゅりーにところに居候させてもらおうとした、子れいむは、あっという間に叩き出された。 「ゆぎいいいいい!なにするのぱちゅりー!!れいむにごちそうしなざいよおおおおお!!」 「れいむのおとうさんもおねえさんもすてきなゆっくりだったわ。おかあさんもよ!この一族の 面汚し!あなたはおとうさんまりさに泣いて謝るべきなのよ!」 「ゆがあああああ!!!ゆぎいいいいい!!!ゆっぐりでぎないばじぇはじねえええええ!!」 かつてない罵倒を受け、もともとぷっつんしやすかったれいむはぱちぇの巣の前で大声で喚き、 暴れまわった。その後、子れいむが何を言っても若ぱちゅりーは取り合おうとはしなかった。 「じね!じね!じねえええ!!ぐぞばじゅりいいい!!でいぶのいだいざをおぼいじれええ!」 それでも諦めずに騒ぎ続ける子れいむのほほに冷たい、ゆっくりできないなにかが触れた。それ はするどく磨かれた釘だった。 「少し黙りなさい。このてーへんれいむ…それ以上騒ぐと、二度とゆっくりできない体にしてあ げるわ…とってもとかいはだと思わない?」 老ありすだった。 「ひ、ひ、ひぎいいいい…」 子れいむは老ありすの迫力に情けなくもしーしーをもらし、何も言えなかった。 老ありすはしーしーがあんよにかからないよう、子れいむを突き飛ばす。 「どうしてもごはんさんがないなら、群れの備蓄から少しだけ分けてあげるわ。ゆっくりその 汚いしーしーをなめとったら、ゆっくり受け取りにきなさい。てーへんれいむ。」 「ゆぎっ…ゆぎっ…れいむはてーへんじゃない…ゆぐっ」 「早くしーしーなめて、汚いわ。れいむのおかーさんは狩りに出かけたわよ。れいむは何をして るの?てーへんじゃないなら、くずね。」 老ありすは完全に軽蔑した視線で子れいむを射ると巣に戻っていった。 その後、子れいむはかつて自分を歓待してくれた巣に自分を居候させるよう命令してまわった。 ある程度、ご飯を分けてくれる家族あったが、父まりさが死んだ今、子れいむを歓待するゆっく りは皆無だった。 「ぱぱはなにしてるの…おねーちゃんはなにしてるの?…れいむがおなかすいてるんだよ…何と かしてよ…ばか…ばか…みんなちね…」 子れいむを守り、助けてくれる存在は、もう誰もいなかった。 老ありすが若ぱちゅりーと開発したお帽子は、海岸近くで入手しやすく、肉厚の葉を持つ低木常 緑樹である、モンパノキの葉を幾重にも重ね、つるで結びつけたものである。丈夫で、乾燥して もそう簡単には壊れない代物であった。これを頭に被り、葉の何枚かを髪やリボン、カチューシ ャなどに差し込むことで、帽子を固定することができる。 「ゆ!ゆ!おとうさんが永遠にゆっくりしちゃったから、れいむがごはんさん探すよ!おちびち ゃんたち、ゆっくり待っててね!」 母れいむは必死になって食べられる葉を集める。しかし、父まりさが持ってくるのはいつも葉っ ぱの部分だけだったので、一体どの木、草花の葉が食べられるのかさっぱり分からなかった。 今まで食べていた葉を必死に思い出し、一枚、また一枚と葉や花を集めていく。 「ゆ!おいしそうなカニさんだよ!そろーりそろーり…」 しかし、カニは母れいむに気づくと素早く岩陰にもぐりこんでしまった。道具を持たないれいむ では、こうなるともう手が出せない。 「ゆううう…カニさんは一向に捕まらないし…ゆゆ!貝さんはゆっくりできそうだよ。」 母れいむが見つけたのは潮間帯の岩に張り付くイガイの仲間だった。ムール貝の仲間である。 「ゆんしょ!…ゆんしょ!…だめだよ、全然ゆっくりできないよ。」 二枚貝は足を持っている。活きのいいアサリなどから、よく薄い色合いのシートのようなものが てくるが、アレが足である。アサリは足を使って砂の中に潜るのだ。アオヤギ(バカガイ)などは オレンジ色のアサリよりもしっかりした足を持っているので分かりやすい。アオヤギの足は砂に 潜るだけでなく、砂上を跳ねてヒトデなどの捕食者から逃げるので、足が発達しているのだ。 さて、イガイの仲間も足を持っているが、岩礁息に棲むイガイの足は細く、分泌される足糸とい う糸を貝殻の外に張り巡らして、基盤上に貝を固定するのだ。 漁になれたまりさはこの足糸の存在を知っており、まず足糸を棒などで断ち切ってから、イガイ を採取する。しかし、母れいむはそのような知識も技術も持ち合わせていなかった。そして、そ のような知識・技術を教えてくれる熟練まりさは極端に不足していた。 結局、母れいむはこの時期たくさん打ち揚げられる海藻の類を採集し、巣へと帰っていった。 母れいむの隣の巣には、別のれいむと赤ゆっくり四匹が暮らしている。この家族の父親もまりさ だったが、まりさは前回のヤシガニ襲撃の際に、永遠にゆっくりしてしまっただ。しかし、ここ のれいむは初めての漁だったにもかかわらず、カニを捕まえることができた。高台から落として カニを割り、苦労して背甲を外して食べる。 「むーしゃむーしゃ!おかあさんはりょうのめいじんだね!」 「むーしゃむーしゃ!ちあわせー!!」 「ゆふふ、そんなことないよ!そろそろ、おかあさんもカニさんゆっくりいただくね!」 一時間後、赤ゆはみなどす黒く変色して砂糖水の泡と餡子を吐き出し、絶命していた。母親のれ いむも大量の餡子を口とあにゃるから吐き出しており、もう虫の息だ。 「…ゆ゛…ゆ゛…どぼじで…どぼじで…あかちゃん…ちんでる…の…」 一家が食べたカニはスベスベマンジュウガニだった。歩脚を中心に強い神経毒を含み、食べれば 人でも死亡する。スベスベマンジュウガニはオウギガニの仲間だが、オウギガニは動きがのろい ものが多く、潮間帯の浅いエリアに棲息する種も多いため、捕まえやすい。しかし、スベスベマ ンジュウガニや、ウモレオウギガニなど毒性を有する種が多く含まれる。 「もっと…ゆっぐり…」 母親れいむも赤ゆたちの後を追った。 もし、父親のまりさが生きていれば決して毒ガ二を食べなかったであろう。実を言うと、母親は スベスベマンジュウガニのことを知っていた。生前、父親が実物を持ってきて注意を促したから だった。しかし、母親が捕まえた個体は、父親が持ってきた個体よりも幼い個体であり、体色が まったく異なったため、母親は気づかなかったのだ。父親が実物を見せたときに、もし、その背 甲表面のすべすべした手触りを確認していれば悲劇は起こらなかったであろう。 群れで、同様の毒草、毒虫、毒カニ、毒貝を食べるケースが続発したため、若ぱちゅりーは、狩 りや漁を最低でも数匹で行い、熟練したゆっくりを一匹は加えるよう指示を出した。しかし、食 料が以前に比べて手に入りづらくなり、食料の質も劣化したため、不満を持つゆっくりたちも現 れた。 「ここなっつさん!ここなっつさんがないとすーぱーなごみんたいむできないよ!」 「もっとあまあまなごはんしゃんじゃなきゃいやああああ!」 「海藻さんばっかりなんてとかいはじゃないわ!」 「れいむはカニさんが食べたたいよ!ゆっくりしないで持ってきてね!」 不満は主に狩りや漁の経験の少ない、若いゆっくりに広がっていった。それを抑えようにも、 本来指導にあたる熟練したゆっくりたちは不足する食料の確保や、自分の家族の世話でゆっくり することができず、それどころではない。 そのとき、子れいむは思い出した。 「みんな大丈夫だよ!山の中にはおみずさんいも、ごはんさんにも、あまあまさんにも困らない 失われたゆっくりぷれいすがあるんだよ!」 「ゆゆ!?初めて聞くよ!れいむはゆっくりみんなに説明してね!」 子れいむは自分が老ありすから聞いた話を披露した。かつて群れは山の中に住んでいたこと、山 の中は水、蜂蜜、ふるーつ☆、カニ、ここなっつにあふれており、いくら食べてもなくならない こと、そこは失われたゆっくりぷれいす「コキゆートス」で、美ゆっくりにあふれており、いく らでもすっきりー!ができるという。前のりーだー老ぱちゅりーらは、ここに住んでいたが、あ まりにもゆっくりできなかったため、キングベヒんもスと呼ばれるボスてんこに追放されたのだ という。しかし、てんこは構ってちゃんなので、今なら誰でも三割引きで受け入れてくれるとい う。 不満を抱えていた若いゆっくりたちは、子れいむの言葉に色めきたった。ついさっきまで、子れ いむが群れの鼻つまみ者だったことなどすっかり忘れていた。何が三割引なのか突っ込む者もお らず、調子に乗った子れいむは、自分はくーぽん券まで持っていると言い出す始末だった。 こうして大いに盛り上がった若いゆっくりたち十匹は、みなが寝静まった夜中に巣を出発、山を 目指した。 海岸から海浜植物が広がる野原を経て、アダン林、ヤシ林へ、そしてその奥は一端開けた草原に なっており、その先に山から続く森の周縁部があった。海岸のゆっくりたちが狩りを行うのは、 せいぜいこの草原までである。子れいむが率いるゆっくりたち、自称「青鯨超重装猛進撃滅騎士 団」は何一つ警戒せず森へ入っていった。 「青鯨超重装猛進撃滅騎士団」がかつて、ゆっくりたちが住んでいた辺りに到着したのはその翌 日のことであった。ここは山の中でも、もっとも海に近いエリア、かつて老ぱちゅりーの群れが 住んでいたところのもっとも端の方にあたる。 「ゆゆ!!おっきなきのこさんを見つけたよ!」 一匹のまりさが飛び出す。その先にあったのはニオウシメジであった。ニオウシメジは熱帯性の キノコで、味はホンシメジにも似て美味しいとされる。特筆すべきはその巨大さで、一株数十 kgにまで成長するという。まさにまりさにとっては涎のとまらないキノコの一つである。 「ゆ!せーげーチョーじゅーそーもーれつぜんめつきしだん、すとっぷするよ!!」 既に自分で考えた名称を間違い、悲惨なことになっているが、誰も気にしなかった。突っ込みを 入れるにはそれはあまりに長く、無意味で、やっぱり長かった。それはまさに戯れ言だった。 「これだけあればみんなゆっくりできるよ!!ここでごはんさんにするよ!!」 「むーしゃむーしゃ…ち、ちあわせぇ~!!!」 十匹のゆっくりたちによって、ニオウシメジはあっという間になくなってしまった。それから、 山への行進を再開するが、ふと、子れいむは小さなリボンの破片が落ちているのを見つける。か なり古いものだ。 「ゆゆ!!どうやらここらへんがコキゆートスみたいだね。」 どこからか水の音が聞こえる。 「ゆーん?これは何のおと?ゆっくりしらべるよ!」 手分けして辺りを調べると、森の中を小川が走っていることが明らかになった。小川といって も、水深は1メートルぐらい、幅数メートルあるかないかの、小さな川である。しかし、源流 に近いのか、水は非常に澄んでおり、緑に覆われた森の中を、ゆっくりのコロニーがあるのと は反対の方向へと流れていた。川の周囲は虫や草花にあふれ、なによりもあの大移動をするア カガニが棲息していた。 「ゆゆー!おみずさんごーくごーくするよ!!!」 ゆっくりたちは我先にと川に殺到し、乾いたのどを清涼な水で潤していく。いつも飲んでいる 、生ぬるい雨水とは違い、その冷たさとかすかな甘さは南国の島でくらすゆっくり、いや、ど んな生き物にも最高の味わいであった。 「ふぁあああわあ…なんじゃかねむきゅなってきちゃよ…」 キノコでおなかいっぱいになり、冷たい水をたぷんたぷんになるまで飲んだゆっくりたちは、 近くの大きな石と倒木によってできた空間で眠ることにした。もうすっかりくたびれた「略」 の面々、今日はここで一夜を明かすことになるのだろう。 が、一匹のれいむが目を覚まし、小川の方へと跳ねていく。 「ゆ、おみじゅさんを飲みすぎたよ。ちーちーするよ!」 れいむは川べりでお尻をぶりぶりふりながら態勢を整える。 「いきゅよ!れいむのすーぱーちーちーたーいむ!はいどろゆんぷ!!」 しーしーを川べりにいたカニ目掛けて噴射するれいむ。逃げるアカガニを追うようにれいむはし ーしーを辺りに撒き散らしながら、アカガニを追いかけていた。 「ゆゆ~、いっぱいちーちーしたよ。ちゅまんないいきものはれいむのちーちーでも飲んでひっ ちにいきてね!きゃわいくってぎょめんね~★」 れいむのもみあげを両側から二匹のアカガニがはさんだのはその1秒後のことだった。 「ゆぎぎぎぎぎぎ!!!にゃにじゅるのおおおお!!!」 さらにどこから現れたのか、三匹のカニが、れいむのあんよ、ぺにぺに、口をはさんで引っ張り はじめた。 「やめじぇええええ゛いじゃいよおおおお゛!!どぼじでぞんあんごどずるのおおお!!れいむ はえらばれじゆっぐじなんだよおおお!!」 もう一匹川べりから姿を現したアカガニがれいむのリボンを乱暴に引きちぎると、そのまま川べ りの横穴に姿を消した。 「ゆぎょおおおおお゛でいぶのぎゃわびびおりぼんじゃんがあああああ!!!」 れいむは必死にあがき、アカガニを潰そうとする。しかし、大移動のときとは違い、卵を持って いないアカガニは身軽で、その上はさみ脚で積極的に攻撃をくわえてきた。 ぶち ぶち ぶちぶちぶち! とうとう、れいむの二つのもみあげと、ぺにぺにが一斉に引きちぎられてしまった。 「ゆぴぃ!!!ゆ゛げ!!ゆゆ゛ゆびいいいいいいい!!!」 れいむが狂ったようにのた打ち回る。その声に子れいむが起きた。 「ゆゆ~、うるさいよ!ゆっくりねむれないよ!!!ゆっくりしないでだまってね!!れいむは 疲れてるんだよ!!!」 「だじゅげで!!!だじゅげでええええ!!でいぶのべにべにがああああ!!!もみあげじゃん があああああ!!!」 「ゆゆ?」 子れいむの目の前にいたのは、リボンももみあげもなく、ぺにぺにがあった場所から餡子を垂れ 流しながら涙目で跳ね回る変な物体だった。 「うるさいよ!!ゆっくりできないゆっくりは死んでね!!」 子れいむは思いっきり体当たりをかます。 「ゆべっ!?」 ぼろぼろになっていたれいむはアカガニごと川に転落した。小さい川とはいえ、上流での流れは 速い。干潮時の海でしか行動したことがないれいむには、この強い流れは最初で最後の経験だっ た。 「ゆぴっ!?たじゅげ…だじゅ…ゆ…」 れいむは流され、溶けていったが、その悲鳴は川のせせらぎに邪魔され、誰にも届かなかった。 なお、れいむと一緒に落ちたアカガニは傷一つ負わず、川べりでの摂餌を再開した。 「ゆゆ~まだねむいよ…」 子れいむは這うように寝床に戻り、まどろみの中へと帰っていった。 子れいむが寝苦しさで目を覚ましたのは夜中である。辺りは夜の帳と、熱帯特有のむっとするよ うな湿気に包まれていた。子れいむは最初、ここがどこだか分からなかった。真っ暗で、海の音 は聞こえない。代わりに聞こえてきたのは小川のせせらぎと、虫やカエルの大合唱だった。起き た当初こそ、ここがどこだかわからない、という感覚に恐怖を覚えた子れいむだが、次第に、自 分たちが山へ登り、新しいゆっくりぷれいすに到達したことを思い出し、落ち着きを取り戻した。 「ゆ~…ゆぴ~…」 周りからは他のゆっくりたちの寝息が聞こえてきた。 「ゆゆ…しーしーしたいよ…まーべらすにしーしーするよ…」 子れいむはそろそろと寝床から出ようとしたが、何かにあんよをひっかけてしまい、顔面から地 面に倒れこんでしまった。 「ゆぶっ!!…ゆゆ~だれ、こんな邪魔なところで寝ているのは?」 れいむはぷんぷんと怒ったが、暗くて何も見えなかった。 「ゆ!ちょっと聞いてるにょ!こんなところで寝てたらゆっくりできないよ!!ゆっくり謝って ね!謝ったら!あまあまさんもってくんだよ!!」 足元の「それ」がずるりと動く気配がした。しかし、何を言うわけでもなく、しゅーしゅーとい う音しか聞こえない。 「ゆゆ゛!起きたんならおやまっちぇね!!ふじゃけてるとせーさいしゅ…」 そのとき、子れいむはふと、寝床―石と倒木でできたこの隙間から外に向けて、何か長いものが続 いていることに気がついた。寝床の中は真っ暗で分からないが、外は淡い月明かりによって、なに か長いものが、この寝床の中に、うねうねと… 「ゆぎゃああああああああああああああああああ!!!」 子れいむは恐怖にかられて寝床から飛び出した。それは2メートルはあるかというヘビだった。 実は子れいむが気づかなかっただけで、既にそのヘビの腹の中には五匹のゆっくりが納まってい たのである。 「へび!へび!へび!へびだあああ゛!!」 子れいむの絶叫に他のゆっくりも飛び起き、数秒後には状況を認識してパニックになった。 「ゆああああ゛!!れいみゅはおいじくないよおおおお゛!!」 子れいむはそのまま斜面を転がるように逃げていく。その後を生き残りの三匹が追う。 「まっじぇええええええええ!!おいじぇかないじぇええええ!!」 「へびじゃんはゆっぐりできじゃいいいいい!!待つんだじぇええええええ!!」 このヘビはアカマタである。毒こそもたないが、夜行性で俊敏なヘビであり、時にはハブすら襲 って捕食する。しかし、このヘビは顎を大きく開くことができないため、捕食できるサイズは限 られ、様々な小動物をエサとしている。このヘビこそが赤ゆ泥棒の正体であり、赤ゆしか狙わな かったのは、その性質故のことであった。 幸か不幸かこのアカマタは既に満腹であり、また、逃げたゆっくりたちは捕食したものよりもや や大きめの個体ばかりだったこともあって、追ってくることはなかった。それでも子れいむたち は恐怖に駆られ、闇の中、時折木々の間から差し込む月光を頼りに山のふもとまで一気に駆け降 りた、というよりは転がり落ちた。 山のふもとで集合したとき、子れいむを含めて合計四匹の「略」は、体のあちこちが汚れ、細か な傷もできていた。みな、月光のした、無言で座り込む。ただ、乱れた呼吸音だけが四匹が生き ている合図であるかのように交わされる。最初に口を開いたのは子れいむだった。 「ゆう…ゆう…へびさんは…ゆっくりできないよ…」 誰も何も答えない。いや、恐怖で答える気にすらならなかったのだろう。 「ゆっくり…ゆっくりぷれいすに帰るよ…」 やはり誰も答えない。だが今度の沈黙は賛同の表れだった。もう既に四匹は苦労して到達した新 天地でかつてない恐怖を味わったことで、精神的に疲れきっていた。そして、その精神的な疲労 はまだ若いこのゆっくりたちには耐え難いものだったのだ。 誰からともなく、重い腰を上げ、もと来た道を跳ねていくゆっくりたち。その足取りは遅かった が、心は焦っていた。 早く帰りたい。早く帰っていつものようにゆっくりしたい。 四匹のゆっくりはただそれだけを考えて無言で跳ねていた。樹上に爛々と輝く目があることも知 らずに。 輝く目は樹上からかすかな着地音と共に地上に降り立ち、ゆっくりたちの後を追った。しばらく 歩き、そして停止する。それを何回か繰り返し、輝く目はゆっくりたちのすぐ後ろまで忍び寄っ ていたが、ゆっくりたちの意識は前方に、一刻も早く帰ることにのみ集中していた。 輝く目は首を長く伸ばしてゆっくりたちを観察した後、少し足早に接近し、そして身をかがめた。 「ゆ?」 後ろから迫る何かを、四匹のゆっくりの最後尾、まだ小さい子ありすが感じ取ったときには、既 に牙が子ありすを貫通していた。 「ゆげ!!!」 その声に他の三匹が一斉に振り返る。 「「ぴかぴかだあああああ゛!!!」」 爛々と輝く目、月明かりに照らされた斑紋のあるこげ茶色の体、ヤマネコだった。ヤマネコは狩 りの際、伏せの状態から飛び掛り、一気に獲物に噛み付く。そして、獲物が動かなくなるまで、 ひたすら噛み続け、上側の犬歯で頚椎や行動中枢を破壊するのである。ゆっくりに頚椎はなかっ たが、犬歯はきれいに中枢餡を貫通しており、子ありすはすぐに絶命した。 この噛み続けるという行動はトラからネコまでネコ科動物を特徴づける行動であり、獲物の頭・ 首・胸部などに噛み付き、自分の頭を振ることで獲物を仕留めるイヌ科動物の攻撃方法と明確に 異なるものである。 ゆっくりが野山で食べるものは、昆虫、小動物、植物などである。これに対して、ヤマネコは昆 虫や小型鳥類を中心に、魚類、カエルなども捕食する。アカマタは自分の口のサイズにあった、 小型鳥類や小動物である。要するに、彼らのニッチは見事にバッティングしていた。そして、パ ッティングしたニッチの中で、この島においてゆっくりを捕食できる地上動物、それが彼らだった のである。 一言で言えば、彼らは自然界ではありふれた、生活空間を巡る競合に敗北して海岸に逃げたのだ。 子れいむたちは彼らにとっての全力でしーしーをもらしながら跳ねたが、ヤマネコは一匹の獲物 で満足したのか、森の中に消えていった。 なんとかぴかぴかの攻撃から逃げおおせた「青鯨超重装猛進撃滅騎士団」は子れいむを含めて三 匹のみだった。巣を目指すももうへとへとであり、林の周縁部まで来たところで休憩することに なった。辺りはまだ暗く、日の出までは時間があった。 この辺りの木にはアコウが絡み付いている。アコウは、学術用語で絞め殺し木と呼ばれるイチジ クの仲間である。アコウの種は動物よる捕食を通じて、木の幹や枝の上で発芽する。そして気根 を垂らし、木の幹に絡みつくように成長し、もとの木がアコウに絞め殺されているように見える ことからその名がある。 アコウは季節にかかわらず、常に三割程度実をつけている。そのため、様々な昆虫や果実食の小 動物にとって、一年を通じて、またはメインのエサがなくなる季節のスーパーサブとして重要な 植物であった。 そして、とある哺乳類にとっては晩秋から冬場の重要なエサであった。彼らは甘い果実を好む。 木の下に饅頭が寝ている以上、導かれる結果は「確定的」なものだった。 子れいむたちは、なにかちくちくとした痛みで目を覚ました。虫だろうか? 「ゆゆ…まだれいみゅはねむ…な゛なんなのごればあああああ!!!」 ゆっくりたちの体に何かが取り付いている。体の表面を常に爪のようなもので傷つけ、ぺちぇぺ ちゃと何かを食べて、そして吐き出しているようだった。 「いやああああああああ゛やべで!!!れいみゅおいじぐない!!!」 「いじゃい!!!いじゃいよおおお!!!あがががががあ!!!」 「ああああああ゛めがあ゛めがあああああ゛」 一匹のれいむは両目を鉤爪でやられ、完全に失明した。ゆっくりたちがいくら騒いでも、攻撃が やむ気配はなかった。この頃には、うっすらと東の空が明るみ始めた。そして、子れいむは見た。 神々に背いたもののみが持つその翼を。 「れみりゃだあああああああ゛!!!」 子れいむの絶叫により残り二匹もパニックに陥る。 「だじゅげで!!!だじゅげでええええ!!」 「あああ゛目がああああああ!!!目がああああああ!!!」 しかし、それはれみりゃではなかった。大きな目で視覚を頼りに夜空を舞う、夜の眷属、オオコ ウモリである。オオコウモリは果実を好み、その果肉からジュースのみを飲み干しては、残骸を 捨てる。そのため、彼らにとって、低いところにあることを除けばゆっくりはなかなかのエサで あった。本来なら彼らの活動のピークは日没後数時間であるが、この辺には適した果実が不足し ていたのであろうか? 「みぎゃ!!みぎゃあああ!!!」 「いやあああああ゛もうやじゃじゃじゃじゃ!!!う゛ん゛う゛ん゛じゅるよ!!!じゅっぎり び!!」 両目をやられたゆっくりは疲弊しすぎたのか、もう動かなくなっていた。子れいむたちはそれか ら一時間ほど拷問のような彼らの襲撃を受け、夜明けと共にオオコウモリは巣へ帰っていった。 「ゆげ…た…たじゅがっだよ…」 「ゆぐっ…ゆぐっ…」 生き残った二匹のれいむには、もう泣き喚く体力も残っていなかった。ただ、ずりずりと這うよ うにして巣へと帰ろうとする。体の表面はところどころ削り取られ、二匹の後には点々と餡子が 続いていた。 二匹のれいむが巣についた頃にはもうすっかり明るくなり、巣からゆっくりたちが狩りや漁にで かけようとしているところだった。その中にいた母れいむが変わり果てた姿の娘に気がついた。 「れいむ!れいむ!どぼじだのおお!!いまぺーろぺーろするよ!!!」 自分たちを見捨てた娘であるが、あまりの惨状に母れいむは真っ青になって、飛び出してきた。 「大丈夫?大丈夫なの?ぺーろぺーぶ!」 次の瞬間母れいむは何かに踏み潰されて死んだ。 びっくりした子れいむが上を見上げると、そこには二匹のイノシシがいた。 負傷したゆっくりからもれた餡子、キングベヒんもスはそれをたどって巣までやって来たのだ。 「キングベヒんもスだあああああああ゛!!」 見張りをしていたまりさつむりが絶叫する。途端に巣は騒然となった。 慌てて巣内に戻ろうとしたありすは踏み潰され、もしゃもしゃとキングベヒんもスに食べられて しまった。 「れいむは悪ぐないよ!巣の中にいっぱいゆっぐりがいるよ!キングベヒんもスさんはゆっぐり していってね!れいむはごっそり逃げるよ!」 しーしーを漏らしながらぽよんぽよんと跳ねて逃亡をはかる子れいむ。 どっどっどっど! 先程までつぶしたゆっくりを食べるのに夢中だったキングベヒんもスは、突如逃げる子れいむに 向かって突進し始めた。名高い「猪突猛進」である。かつて山の中に住んでいたころ、今は亡き 老ぱちゅりーはこの行動を「びってんとっぱ」と呼び、大いに恐れていた。 「びょええええええ゛!!どぼじでごっじにぐるのおおおお゛!」 泣き喚き、うんうんしーしーを漏らしながら必死に跳ねる子れいむ。「びってんとっぱ」のコー スから外れようとするが、イノシシが直進しかできないというのは迷信である(そのようなケース もあるのだろうが)。キングベヒんもスは巧みに勢いを殺さずコースを修正する。 ドンッ!! 「うぎゅぶ!!!……ゆ゛ゆ゛ーん…おちょら…どんで…うわらば!!!」 子れいむは派手にお空を飛んでいき、そして砂浜に頭から落下した。 落下の衝撃で片目は飛び出し、歯はすべてへし折れた。おまけにキングベヒんもスの「びってん とっぱ」の直撃によってあにゃるは避け、とめどなくうんうんが漏れていた。さらに、ここは砂 浜といっても、南国の砂浜は貝殻やサンゴの破片がたくさん混じっている。まむまむや口の中に 無数の破片が刺さり、止むことのない激痛が子れいむを苦しめた。 「ゆげ…ゆげ…うじょだ……きゃばびび…れいむが…こんにゃ…」 もう子れいむはびくんびくんと痙攣する以外、しーしーを漏らすぐらいしかできることはなかっ た。キングベヒんもスは子れいむを吹っ飛ばしたことに満足したのか、ゆっくりの巣をあさる作 業に戻っていった。 巣を守るために長めの棒で武装した重装まりさつむりたちが「トライゆンカー」の陣形でキング ベヒんもスに対抗する。つむりたちは長い棒でキングベヒんもスを巧みに牽制し、他のゆっくり たちが逃げる時間を稼ごうとするが、子れいむを吹っ飛ばしたキングベヒんもスが巣の攻撃に加 わったことでつむりたちの防衛ラインは決壊した。一匹のキングベヒんもスに気を取られている うちにもう一匹によって、横から頭ですくい上げるようにはじき飛ばされたのである。 「ゆげええ!!…ゆゆ!まりさお空をとんで…ぶぎゅ!!!」 一匹のつむりは高々と宙を舞い、岩盤に落下して、貝殻ごと砕け散った。 他のつむりたちも陣形を崩され、一匹、また一匹と踏み潰され、食われ、くわえて放り投げら れ、最後の一匹は牙によって致命傷を負い、動けなくなった。 「びええええ!!いじゃい!いじゃいよおおお!まりさの傷さんゆっくりじないでなおってね! ぺーろぺーろ!!ゆえええ゛なんじぇあんこさんどまっでくれないのおおおお!!」 キングベヒんもスは巣から一匹の子ありすをくわえあげる。 「ゆああああ!!こんなのとがいはじゃないばあああ!!おそらとんでるびだ!!」 子ありすは地面に落とされ、キングベヒんもスの足によって顔を踏み潰された。 「ゆぶ!!!」 子ありすは体内のクリームすべてをぺにぺにとあにゃるから噴出して死んだ。 「どいてね!まりさがさきに巣のなかでゆっくりするんだよ!でいぶはどいてね!」 「ふざけないでね!ゆっくりするのはでいぶだよ!まりさはさっさと巣を守ってね!」 どちらが巣に逃げ込むかで、争っているゆっくりがいる。キングベヒんもスは仲良く一匹ずつ くわえあげ、食べてしまった。 「ゆゆー!お空とんで…ぶば!!!」 肥満体のでいぶは、キングベヒんもスの咀嚼の力に耐え切れず、一撃で破裂してしまった。 「やめてね!まりさのお帽子かえしてね!食べないでね!」 まりさは帽子から転げ落ち、助かったのだが、逃げるよりも帽子の返却をキングベヒんもスに 求めた。だが、キングベヒんもスは帽子をくちゃくちゃと咀嚼すると、さっさと飲み込んでし まった。 「ゆぎゃあああああ゛!!!まりじゃのじゅでぎなおぼうじがああああ!!!」 次はまりさの番だった。キングベヒんもスは泣き喚くまりさをくわえ、咀嚼した。 「いやあああ゛!!!だじゅげ!だじゅげで!まりじゃまだじにぶぐぼお!!!」 入り口付近のゆっくりをあらかた片づけたキングベヒんもスは巣を一つ一つ壊し始めた。 「ゆゆ?おうちがきょわれちゃったよ?…ゆゆー!おちょらをちょんでぶぎゅ!!!」 「おちびちゃーん!!れいむのぎゃわいいおじびじゃんがあああ!!!べべげば!!!」 「ゆゆ?ゆっきゅりきょろがっちゃうよ!こーろこーろ…ぶぶ!!!」 壊された巣から転がり落ちた赤ゆは逃げるゆっくりに踏み潰されて生き絶えた。 「もっちょ…ゆ…じ…ぶびゃば!!!」 「なんでばでぃざのあがじゃんちゅぶれでるのおおおおおお!!!おじびじゃーん!!!」 必死にぺーろぺーろするまりさもキングベヒんもスに顔をえぐるように踏み潰され死んだ。 「ゆべ……」 騒ぎを聞きつけて巣から出てきた若ぱちゅりーはあまりの惨状にどうすればいいのかも分から ずただ唖然としていた。もう、打つ手など何も思い浮かばなかった。 「ぱちゅりー!ゆっくりしっかりして!ぱちゅりーがあきらめたらこの群れはそこで試合終了 だよ!」 老ありすがぱちゅりーを叱咤する。 「むきゅー!でも無理よ!もうゆっくりできないわ!キングベヒんもスが二匹も!!」 老ありすは取り乱す若ぱちゅりーをなんとか落ち着かせる。 「よく聞いてぱちゅりー、私が時間を稼ぐから、群れのみんなをゆっくりしないで脱出させて。 もうこんな奥まで荒らされて、蓄えた食料は奪われて、おまけに勇敢なゆっくりたちはみんな いなくなってしまったわ。この巣はもうゆっくりできない。ゆっくりしないで逃げるのよ!」 「…あ、ありす?…」 「一緒にゆっくりできて楽しかったわ。私たちがゆっくり守るのはゆっくりぷれいすじゃなく てみんなのゆっくり、そうよね?」 老ありすは誰にも見せたことがないような笑顔で若ぱちゅりーに微笑むと、どこからか取り出 した釘をくわえてキングベヒんもスに向かって跳ねていった。 「ありす!!」 「魔物でも化け物でも、生きてるんなら殺せるなあああああ!!!」 老ありすは怯むことなく、キングベヒんもスに飛び掛る。 ありすの釘は、死んだゆっくりを食べるのに夢中だったキングベヒんもスの鼻に浅く刺さっ た。イノシシはイヌ同様鼻が敏感な動物だ。釘を鼻に刺されたキングベヒんもスは巣の外に走 り出て、釘を抜こうと、岩や木に鼻をこすりつけながらのた打ち回っていた。 「次!」 老ありすはさらにもう一匹のキングベヒんもスに向けて釘を振りかざす。もう一本釘をカチュ ーシャにはさんでいたのだ。だが、キングベヒんもスの鋭い牙が老ありすの体を横に薙ぐよう に切り裂いた。 「ゆべっ!…」 ありすはそのまま壁にぶつけられ、ぱっくりと開いた側面からクリームを撒き散らして絶命し た。 「ありすううう!!」 若ぱちゅりーは泣き叫ぶが、最早老ありすはぴくりとも動かなかった。 「なにやっじぇるのばやぐれいみゅをだじゅげっぐぎょ!!」 「ふん!かしこいれいむはこんなとこさっさと逃げるよ…そろーりそろーり…どぼじでごっじ にぐるのぼぼぼぼ!」 抵抗するものの絶えた巣の中でキングベヒんもスはそこら中にいるれいむを食い散らかし、踏 み潰した。あるれいむはあにゃるから牙を刺し込まれ、キングベヒんもスがそのまま地面を掘 り返して備蓄した食料を探し始めたため、擦り切れて死んでいった。 「ぎょぼぼぼぼ!でいぶのおじゃれにゃあじゃるぎゃ!!ばやぐだじゅぶぶ!!!!!……」 またあるれいむは両方のもみあげを食いちぎられ、 「うぎゃあああああ!!ゆぎゃああああ!れいみゅのぎれーなもみあげざんがああああ!!」 踏み潰されて、体の穴という穴から餡子をもりもりと噴出して絶命した。 「ひでぶぶぶぶぶぶ…」 キングベヒんもスはれいむばかり選んでいるのではない。もうほとんどれいむしか残っていな いのだ。勇敢に立ち向かい、体当たりをしかけたれいむもいたが、キングベヒんもスが相手で は、勇敢であろうが、げすであろうが、結果は変わらなかった。死は平等に降り注いでた。 若ぱちゅりーはなんとかゆっくりたちを逃がそうとしていたが、相手が入り口に陣取っている 限り不可能だった。奥へ、洞窟の奥へと追い詰められる若ぱちゅりーたち、若ぱちゅりーが覚 悟を決めたそのとき、貯蔵庫の方から一匹のゆっくりがキングベヒんもスの前に姿を見せた。 「うふふふふ…」 紫色の帽子 「しーしーはすませた?」 赤い髪 「みまさまにおいのりは?」 一定の確率で生まれるという黒歴史 「島の隅っこでがたがた震えていのちごいするこころのじゅんびはおっけーね?」 それはあの老ありすの娘、「最後の大隊」のメンバーろりすの姉、紫色の帽子が特徴のうふ ふまりさだった。泣きはらしたのであろう目は真っ赤に充血しており、その口には親よりも 鋭い、ぴかぴかに磨かれた五寸釘がくわえられている。 「かあさま、お見事でした。」 キングベヒんもスとにらみ合う。 「まりさはいまいきます。」 じりじりと間合いを詰める。 「かあさま、いまいきます!」 うふふまりさは一気に飛び跳ね、老ありすと同じく鼻を狙った。だが、キングベヒんもスは 頭を振ってうふふまりさを壁に叩き付けるとそのまま踏み潰し、食べ始めてしまった。 「ゆぎ!…うふ…うふふふふ…勝っちゃった…わ!」 うふふまりさは絶命した。 キングベヒんもスは突然食べたものを噴き出し、暴れだした。 うふふまりさの味が余程ひどかったのだろうか?明らかに尋常ではない暴れ方であった。キン グベヒんもスは、逃げようと入り口に殺到していたれいむを次々踏み潰し、暴れながらどこか へ行ってしまった。 実はうふふまりさは口内に唐辛子を隠していたのである。この島には、近隣の漁師が持ち込ん だのか、避難小屋周辺に唐辛子が自生しているのだ。おそらく老ありす辺りが巣を守るのに使 えないかと貯蔵庫にしまっておいたのだろう。うふふまりさは最初から親の後を追うつもりだ ったのかもしれない。 若ぱちゅりーはゆん気のなくなった洞窟で一人ぼやいた。 「そんけーしたくなるゆっくりは、みんな永遠にゆっくりしてしまったわ。寒い時代ね…」 だが、りーだーとして群れの未来を放棄することはできない。若ぱちゅりーは残ったゆっくり を集めると、臨時に洞窟のさらに奥に居住区を移した。狩りや漁にでかけるには不便だが、入 り口が狭く、守りに適した場所だった。 巣の材料や備蓄した食糧を奥に運び込み、永遠にゆっくりしてしまったゆっくりたちの遺骸を 埋葬する。入り口が餡子まみれでは、また新たな敵を呼ぶ危険性があると判断したのだ。ゆん 口はもはや夏の三割にまで落ち込んでいた。だが、遅まきながら、ここに来て群れの危機をみ なが認識した。最早まりさもれいむもなかった。外で狩りをしていた個体も、屋内でぬくぬく 育った個体も一致団結して群れを、自分たちを守ろうとしていた。洞窟の主だった出入り口に は、身軽なちぇん種か、身体能力の高いまりさ種が配備され、狩り・漁は比較的残存個体数の 多いれいむ種を中心にみなででかけるようになった。さらに、若ぱちゅりーは、うふふまりさ の遺骸から唐辛子の有効性に気づき、これを備蓄するよう支持した。若ぱちゅりーは変わった。 かつての有能ながら優柔不断な悩み多き若りーだーは、頼りにしていた老ありすが永遠にゆっ くりしたことにより果断なりーだーに成長していた。自分で考え、自分で指示を出さなければ ならない状況、群れを守るために散ったありす親子の死に様、それが若ぱちゅりーを変えたの だ。 ところで、「びってんとっぱ」をまともにくらい、ぼろ雑巾のようになった子れいむはまだ死 んではいなかった。吹っ飛ばされた砂浜近くにあった木の根元の大きな窪み、そこに身を隠し ていた。近くの雑草しか口にしておらず、かなり衰弱していたが、まだ死んではいなかった。 だが、悪運強い子れいむにもお迎えが来たようだ。 その窪みは、ヤシガニが休息するにも絶好の場所だったのだ。子れいむが痛みによって、眠り から目を覚ましたとき、その体は既にハサミ脚によってがっちりと捕獲されていた。 「いじゃ!!…いじゃい!!!やめろおおお!やめじぇね!このばきゃ!れいぶはぷりちーな んだよ!だいじにじないどいげないんだよ!!ゆっぐりりがいじろ!!」 子れいむの罵倒を浴びせられたヤシガニの複眼は無機質に光る以外、何も語りかけては来なか った。いや、ヤシガニは行動で返事をしたというべきなのかもしれない。 ヤシガニは子れいむのぱさぱさした髪をつかむと、びちびちとひっぱり、ちぎっては口に運ん でいった。 「み゛ぎゃあああああ゛でいぶのふろーらるながみじゃんがああああああああああ゛!!! どぼじでぇ!どぼじででいぶがごんなめじ……」 子れいむの疑問の答えは簡単なことだった。小さいもの、弱いもの、危険を冒したもの、注意 を怠ったものから食べられる。自然界のごくごく当たり前のルール。その公式に子れいむの行 動を入力すれば「被食」という解がはじき出された。それだけのことだった。 天まで続け未完のSS 神奈子さまの一信徒です。 前作にて感想をくださった皆様、ありがとうございました。 皆様からのコメントを読むとつい、SSの設定を考えたり、資料を集めてしまって、 仕事ができません。いつもありがとうございます。 三部作にする予定だったので、ひとくぎり(旧体制の崩壊)はつけましたが、これじゃすっきり しない人も多いですよね。少し、仕事を片付けたら、考えてみようと思います。 ていうか、「最後の大隊」一言も出てきません。海岸の巣メインで行く予定でしたので、そち らは、追補編としてまとめられればな、と思っています。ロリス好きな方、すみません。
https://w.atwiki.jp/sioyakitetrisopener/pages/110.html
塩焼き砲5号 このテンプレのメリット はちみつ砲と同じ形(パフェ見やすいやつ)が2巡目セットアップがはちみつ砲より高い93.33% このテンプレのデメリット 妥協が弱い
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1976.html
ゆっくりラブラブバンジー 11KB 虐待-普通 理不尽 姉妹物 赤子・子供 都会 現代 虐待人間 うんしー SS2作目です。今回も人間とゆっくりどっちつかずの内容になってしまいました。すみません。 「ゆわあああん」 「おきゃーしゃーん」 「こわいよー」 「ゆんやー」 さっきから盛大に泣き声を上げているのは、皆さんもちろんご存じの生きた饅頭ゆっくりだ。 大きさはソフトボールからピンポン球までのいわゆる子ゆっくりや赤ゆっくりで、まりさが5、れいむが4の全部で9匹(ってゆっくりは匹じゃなくて個かな)だ。 その見ているだけでいらつく大小の饅頭が泣きわめきながらのっかっているのは、それほど大きくない川にかかる橋の欄干の手すり、そこに横一列に並んでいるのだ。 欄干の幅はソフトボール大のまりさよりは大きいもののけっして十分な広さではない、そのため下手に動くと5メートル下の川に真っ逆さま、 しかも全員川の方を向いていることで、ただでさえ臆病な子ゆっくりや赤ゆには餡子も凍る恐怖を全身で感じているのだろう、みんな仲良くおそろしーしーと涙、よだれを盛大に垂れ流している。 「バンジーバンジー!」 「バンジーバンジー!」 その後ろで心底嬉しそうに叫んでいるのは小学四年生の男の子と女の子の二人組、近所でも評判の仲良しさん、とっしくんとゆっきゃんちゃん(アダナです)だ。 もうお判りかもしれないが手すりの上に子ゆっくり達を並ばせてたのはこの二人だ。二人は、近所の公園に巣を作っていたゆっくり家族を襲ってここまで連れてきたのだ。 「とっしくん!今度は失敗しないでよ!ひもが切れて川に落ちたらバンジージャンプが成立しないんだからね!」 「今度は大丈夫だよ、親は重すぎてたこ糸が切れちゃったけどさあ、子ゆっくりは軽いからね」 とっしくんはそういいながら人の良さそうな笑顔を浮かべ、同級生のゆっきゅんちゃんより少し小柄な体をかがめながら、輪っかになっているたこ糸をのばし欄干の上から一番小さな赤まりさを手にとって縛り上げていく。 「ぐるじいいよお!だじゅげでー!おねいしゃん!おきゃあしゃあん!」 「やべでええ!わがやのあいどるすえっこまりちゃをいじめないでええ!」 「ゆびいいい!どぼじでぞんにゃことするにょー!」 狂ったように泣き叫ぶ姉妹の子ゆっくりとたこ糸を巻かれていく赤まりさ、だがしかし、とっしくんはメガネの奥の瞳を輝かせるだけで、相変わらず笑顔のまま全く動じることなく作業を進めていく 「ゆんやあああ!じにたくだいよー!ゆっくちざぜでよー!」 「おどおしゃーん!おがあざああん!」 「ゆっくちー!ゆっぐじいい!」 「喧しいわあああ!」 ビリビリビリ! まるで落雷がおちたような怒号が響き渡った、 叫んだのはとっしくん、じゃなくて身長148センチショートボブの黒髪、お目々ぱっちりの小学校でも評判の美少女にして、スレンダーなのに何故かバスト88(Gカップ)のゆっきゅんちゃんだ。 どちらかといえば大人しいとっしくんを引っ張っているのはいつも彼女だ。おまけに少年ゆ虐拳を習っているなど近所でも有名なゆ虐少女。 まあそうはいっても彼女が虐待するのはしょせん害獣のゆっくりだし、それ以外では自分より小さな子供やお年寄りにも優しく礼儀正しく接する彼女を悪く言う人はいない。 「大人しくしてないと全員今すぐ川にブチ落とすぞおお!」 そのあまりの迫力に泣き喚いていた子ゆっくり達は一瞬にして黙り込む、たこ糸で縛られている最中のあいどる末っ子まりちゃでさえ、とっしくんの手の中でビクリとその体を跳ね上げたくらいだ。 「おまえらのくず親みたいに川の中で永遠にゆっくりしたくなけりゃ大人しくしろお!バンジージャンプが成功すれば約束通り助けてやるわあ!」 そう叫ぶと鉄製の手すりをその小さな拳でガン!と叩いた。信じられないことにその一撃は手すりが微かに揺れて、上に乗っている子ゆっくりがほんの少し飛び上がるほどの威力があった。 と、同時にゆっきゅんちゃんの88のGカップも激しく揺れた。 同時に(あ、ブラが少しずれちゃった… とっしくんは… 良かった気づいてないわね、ゆっきゅんったら恥ずかしい!)と、そう思いながら少しほほを赤らめる とっしくんはそんなゆっきゅんちゃんの乙女な動揺に気づきもせず、相変わらず人の良さそうな笑顔を浮かべて、末っ子まりちゃに結んだたこ糸の結び目を点検していた。 足焼きもしないのに手すりの上で子ゆっくりが、泣き喚くほど恐怖にさらされているのに逃げ出しもしないで一列にならんでいるのは、ひとえにゆっきゅんちゃんのこの鬼のような迫力のためである。 ほんの小一時間前には公園の植え込みでゆっくりした「しあわせー」にひたっていた屑饅頭家族、しかし文字通り来襲したゆっきゅんちゃんのミニスカートから伸びた細い足でキック一閃、 ダンボールのおうちをバラバラに破壊されて放り出され、その上で自分たち子ゆっくりにとって誰よりも頼もしい存在だった親ゆっくりのまりさとれいむは、 何の抵抗も出来ずゆ虐美少女の踵落としとローキックの連続攻撃で秒殺(半殺しだけど)にされるのを見せつけられた。 ズタボロの親共々ここまで連れてこられた時にはただおびえ泣くだけの子ゆっくりたち、そして「今日はゆっくりでバンジージャンプごっこしようよ、とっしぃくん(ハート)」とゆっきゅんちゃんが提案し、 同意したとっしくんがまず親まりさをたこ糸で縛り上げ躊躇うことなく橋から突き落とした。 「おそらをとんでるみたいいいいいい」 親まりさが定番の馬鹿な叫び声を上げ真っ逆さまに落下した。すると少し遅れて大きな水音が聞こえた。 「あれ、ひもが切れちゃった」 「もう、とっしくんたらあ、」 「ごめん」 二人は手すりから身を乗り出して水面を見つめるが、親まりさは二度と浮かんでこなかった。得意のお帽子もたこ糸でぐるぐる巻きにされていたので使いようがない。 「死んじゃったね」 「もう、信じられない!」 「ゆんぎゃあああ!」 「おどおおじゃあああん!」 「ゆぎぎぎぃ!れいむはまりさのかたきをとるよ!おちびちゃんをたすけてゆっぐりするんだああ!」 恐怖の絶叫を上げる子ゆっくり達、そして怒り狂った親れいむがボロボロの我が身を奮い立たせて、ボヨンボヨンと跳ねてゆっきゅんちゃんに飛びかかった。 「ふん!」 「ぼぎゅうああ!!」 まるでハエを追い払うように裏拳をほとんど無意識に親れいむの顔にたたきつけるゆっきゅんちゃん、彼女は加減したつもりだったが果たして親れいむの顔は見事なほど真ん中からへし折れるようにして歪んだ。 同時に両目が勢いよく飛び出し、砂糖細工の歯が飛び散った。そして口から目からそれを追うように中身の餡子が噴出する。 「あ、しまった! やりすぎちゃった」 「もっぎょ… ゆっぎゅりぃぃ…」 親れいむは断末魔のつぶやきをのこし顔面を殴られた勢いで、橋の欄干をあっさり越えて川面にダイブしていった。水しぶきと水音が親れいむの死に花を添えた。 「おきゃああじゃあああん!」 「ゆんびゃあああ!」 欄干の隙間越しに水面をのぞき込んで残された子ゆっくりや赤ゆが泣き叫ぶ、その後ろでゆっきゅんちゃんが仁王立ちすると「ち、もう少し楽しませてくれると思ったのに… まあいいわ、こらおまえら!これで私たちに逆らったらどうなるか判ったわね!」と、大人もひるむような残忍な声で恫喝した。 ただとっしくんだけは「もうすこし短くしたほうが、ああ、でも残ったのは子ゆっくりだけだからあと50?くらいは…」と、ゆっきゅんちゃんの迫力も全く気にせずたこ糸の長さの調節に没頭していたが。 そうして橋の欄干その手すりに乗せられるまでは大人しかった子ゆっくりだったが、眼前に親が沈んだ川面が見える場所で、カトンボよりも貧弱な自制心はあっという間に瓦解して再び泣き喚き始めたのだった。 「…ち、くそまんじゅうが」 ゆっきゅんちゃんは獣が唸るような低い声で呟く、決してとっしくんには聞こえないようにして。 しかしその顔には残忍な笑顔が自然に浮かんでくる、彼女はまさしくゆ虐小学生だ、怯え泣く子ゆっくりの声も彼女にはちょっとした音楽だ。 「よーし、できたよゆっきゅんちゃん!」 「ほんとお?とっしきゅうん(ハート)」 自分の暗黒面を悟られないようにことさら媚びを浮かべた声で答えるゆっきゅんちゃん、もちろんとっしくんは全然気づいていない。 「じゃあいくぞ」 「バンジーバンジー!」 「ゆびゃあああ!やじゃあああ!」 勢いよく川に向かっておちる末っ子まりちゃ、悲鳴だけは上げられるように口の部分はよけて巻かれたたこ糸、とっしくんもまた未来の虐待鬼意さんにふさわしい周到さだ。 「まりちゃあああ!」 落下する末っ子まりちゃを見て悲鳴を上げる姉妹達、その誰もがまりちゃの死を覚悟した。しかし水面に衝突する寸前たこ糸がピンと張り詰め、まさにすれすれで末っ子まりちゃは文字通り死の淵からよみがえった。 「さて引き上げるぞ」 「すごいわ、さすがとっしくん!ほんとに水面ギリギリね」 「そ、そんなこと… でもゆっきゅんちゃんが喜んでくれて嬉しいよ」 「もう、ゆっきゅん、QNQNししゃううう!」 そういってとっしくんの背中越しにGカップの胸をぐりぐり押しつけるゆっきゅんちゃんは、みるみるうちに耳まで赤くなるとっしくんの反応に(ああん、やっぱり下着は着けない派でいたほうがよかったかなあ)と思っていた。 「よし引き上げ完了… あれ?」 手すりの上に引き上げられた末っ子まりちゃ、だがその小さな目は焦点を失いその小さな口はだらしなく開かれ「げっげっげらげら」と妙な声を上げ続けていた。 「あーあ、中枢餡が恐怖で焼き切れちゃったんだな、やっぱり赤ゆはひ弱だなあ」 「まりじゃあああ!」 「じどいよー!」 いっせいに泣き叫ぶ姉妹の子ゆっくり達、その中で末っ子まりちゃだけが相変わらず「げげげ」と呻くような声をだし小さな体が時折びくりと震えるだけだった。 「これじゃもういじってもしょうがないな、ぽい」 とっしくんはそういうと末っ子まりちゃを投げ捨てた。 小石がおちたようにささやかな水柱が一瞬上がり末っ子まりちゃは消えた。 「ゆぎゃああ!ぎゃわいいあいどるまりちゃがああああ!」 「だずけるっえいっだのにいいい!」 「ゆんぎゃあああ!」 一際でかい声で泣き喚き出す子ゆっくり姉妹。 すると「ごんにゃひどいこどするにんげんしゃんはゆるざないよ!ぶくー」と、一匹の子れいむが二人に向かって威嚇する、恐怖を克服しての無謀な行為。 そして「にんげんしゃんはあやばってね!まりちゃをはやぐたずげでねええ!」と涙声で叫んだ。 「ふん」 愛情表現に水を差されたゆっきゅんちゃんがむっとした声を吐き、ついと右手を伸ばすと抗議の声を上げていたれいむにデコピンを喰らわした。 「ゆぎゃっ!」 「れいびゅー!」 「おねいじゃーん」 「まりさのいもうどがあああ!」 短い悲鳴を上げてくるくると回転しながら手すりから落下する子れいむ、それを見て絶望の悲鳴を上げる姉妹達。勇敢な子れいむは「おそらをとんでるみたい」とかいう時間もなく軽い水音を立てて親と末っ子まりちゃの後を追った。 「ゆんやー!」 「どぼじでえええ!」 「もうやだあああ!おうじがえるううう!」 「まったくQNQNタイムを邪魔すんじゃないわよ!」 そういって泣き叫ぶ子ゆっくり達をどう猛で冷酷な光を宿した瞳でにらむゆっきゅんちゃん。 その時彼女の携帯がこの場の雰囲気にそぐわない軽いメロディを奏でた。 「あっママからだ」 不意に普通の小学生にもどるゆっきゅんちゃん、とっしくんはと言えば彼女の過剰なスキンシップ?から解放されて、ほっとしたような残念のような顔をして「よしじゃあ次だ」といい、 相変わらず泣き喚いている子ゆっくりの一匹オレンジ大の子れいむを掴んだ。その時。 「あのねえ、とっしくん」 「ん、どうしたの?」 「ママがね、パイを焼いたからもう帰ってきなさいって、ねえ一緒にうちに来てパイ食べようよ、あと今日の算数の宿題も教えてくれたらゆっきゅん嬉しいなあ」 もじもじと赤い顔をしてそういうゆっきゅんちゃん、さっきまで子ゆっくり達を恐怖のどん底に叩き込んでいたとは思えない変わりようだ。 「ほんとう、ゆっきゅんちゃんのママのパイは美味しいからなあ、でもいいの?」 「もうやだ!とっしくんたら遠慮何てしないでよ!」 「じゃあ帰ろうか、もちろん宿題はまかしといてよ!」 「わーい、ゆっきゅん嬉しい!」 「でもこいつらどうする?」 とっしくんに鷲掴みされた子れいむは涙と恐ろしーしーを盛大にまき散らしながらじたじたと暴れていた。手すりの上の姉妹達も相変わらず泣き震えていた。 「もう、どうでもいいけどなあ」 「じゃあこんなのはどうだろう」 「ふんふん、素敵!さすがとっしくんね!」 耳打ちされた提案に大喜びでとっしくんの二の腕に抱きつくゆっきゅんちゃん、今度はそこにGカップバストをグリグリと… 二人が去った箸の欄干、その手すりには一本のたこ糸が結ばれていた。そしてそのたこ糸にはあの生き残りの子ゆっくり姉妹達がまるで干し柿のよう、数珠つなぎに縛り付けられていた。 「ぎょわいよー!」 「ゆっぐじいいいい!」 「だれきゃまりしゃをたじゅけてぇぇ!」 「けらけらけら」 一番下には長女のソフトボール大のまりさが水面すれすれになって結ばれていた。その上には妹たちが悲鳴を上げ続けていた。なかにはあの末っ子まりちゃのように恐怖で狂ってしまった者までいた。 「なんとかひもさんをひっぱってうえにあがるよ!そしてみんなをたすけるよ!」 一番下の姉まりさはそう叫ぶと必死に顔を動かして自分を縛っているたこ糸を咥えようとする、だがそのやり方で状況が好転することは先ず無いだろう。 かえってたこ糸が激しく揺れて、上の妹たちは恐怖感が倍増されますます泣き喚き身をよじるため、やがて振り子のように干し柿ならぬ干し子ゆっくり達は左右に揺れ始めた。 そして欄干の手すりにたこ糸が擦られていく、さらに悪いことに周辺の木の枝や橋上にカラスが集まってきた。 栄養満点の饅頭が沢山吊り下がっているのをスルーできるほど彼らは寛容ではない、たとえたこ糸が切れなくても子ゆっくり姉妹には別の地獄が待っていた。 あるいは今すぐたこ糸が切れて全員水中にダイブした方が、カラスに躍り食いされるよりはましかもしれない。 「みんな、なかないでね、まりさが、おねえちゃんがきっとたすけるからね!」 「ゆんやー」 「おねいじゃああん!ゆびいいい」 「へへへ、ケラケラケラ」 「ぎょわいよー」 吊るしゆっくりの泣き声が夕暮れの川面に響き渡り、それに唱和するようにカラスたちの鳴き声もまた響き渡った。 挿絵 byゆんあき 挿絵 by全裸あき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る こうゆうのも面白そうだ -- 2018-06-24 12 56 20 とっしくんが羨ましすぎる -- 2013-12-22 03 08 44 皆…『叫んだのはとっしくん、じゃなくて身長148センチショートボブの黒髪、お目々ぱっちりの小学校でも評判の美少女にして、スレンダーなのに何故かバスト88(Gカップ)のゆっきゅんちゃんだ。』って最初に書いてあるではないか… -- 2012-11-17 17 23 27 小学生がゆっくりいじめ..... -- 2012-09-15 22 50 06 1枚目wwwwこええええええww てか、一瞬女かと思うほどだな、とっくんwww -- 2012-07-29 22 21 16 ↓↓↓ 胴付=巨乳とか妄想膨らましすぎワロタwww そんな俺設定作っちゃうなんてどんだけHENTAIなんだよwww -- 2011-02-11 18 27 18 ↓5 本文を見る限りは顔は2枚目で体は1枚目が正しい気がするぜ -- 2010-12-12 17 50 34 くっ、小学生でリア充なんて… とっくん代われ! 恐怖で焼き切れる所が面白かったなぁ お空飛んでるみたいとかじゃないのかw -- 2010-11-27 19 52 30 小学生でバスト80台とかどう考えても只の胴付きじゃねえかww -- 2010-09-05 22 17 05 俺は前者のゆっきゅんちゃんのがポイント高いわ。 -- 2010-08-28 10 31 56 とっしくん俺と代わってくれ、マジで! -- 2010-08-28 01 17 45 ゆっきゃんちゃんの絵がw どっちが本当なのw 俺はロリコンだから後者を選ぶ! -- 2010-08-28 01 05 07 ↓ゆっくりうんぬん言ってる場合じゃない小学生でリア重とか死ねばいいのに?マジ死んでください! 彼女いない歴がうん十年の俺に喧嘩を売っているんですねわかります。 -- 2010-08-21 17 34 06 うざいなあ -- 2010-08-07 00 36 18 ↓釣果 -- 2010-07-26 18 09 37 ↓じゃあ、こんなところに来るなよ…… ネットには他にも楽しいところが沢山あるし、現実にもあるだろ こうやって俺みたいなすぐ反応する厨房をみて楽しむっつーならわかるけど あまり良い趣味じゃないぜ -- 2010-07-26 09 39 03 にんげんさんひどいよ…ゆっくりだっていきてるんだよ… -- 2010-07-13 18 41 45
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『ゆっくりは幸せな夢を見るか?』 30KB 制裁 自業自得 群れ 飼いゆ 野良ゆ ゲス 希少種 独自設定 失礼します とある日の昼下がり、一人のお兄さんが道を歩いていた。 「あー、やっぱり針は怖いし痛いなぁ」 お兄さんは腕の絆創膏を抑えながら、そんなこと呟く 「ま、たまには人の役に立つことをしないとな」 このお兄さん、先程献血を済ませたばかりなのである。 動機としては不純なもので、献血後に貰えるジュースとお菓子が目当てだった。 そして今、お兄さんのバッグにはその戦利品が入っていた。 「あのおっちゃん飲めないっていうのにどんどんくれたなぁ。 お菓子もこんなにくれちゃって」 「ゆ!? あまあま!?」 「あまあまはすべてまりささまのものなんだぜぇぇぇぇぇ!」 なんでお菓子なんて単語をこんな道端で言ったのだろうか。 数秒前の自分をお兄さんは本気で殴り飛ばしたくなった。 お兄さんの目線は少し先にある公園の入口に向いていた。 公園といえば野良ゆっくりが居ると思え、と言われているのをすっかり失念していたのだ。 しかもゆっくりは甘いものを本能レベルで求めている。 それはゲス個体になればなるほど、顕著であり。 「おいじじい! れいむにあまあまをよこせ! もってるのはしってるんだよ! はやくしないとせいっさいっだよぉぉぉぉぉぉ!」 「ゆっふっふ まりささまにころされたくなかったらさっさとおかしをだすんだぜじじい!」 ご覧の通りである。 成体のゆっくりれいむとまりさが即座に茂みから飛び出してきてこのセリフだ。 その上ゆっくり特有のかなきり声でがなりたててくるのだから、うっとうしいことこの上ない。 ばいんばいんと跳ねながら催促する様すぐさまぶち殺したくなるのが普通だ。 ゆっくりは極めて脆弱である、しかしこのお兄さんは手を出そうとしない。 「ちっ、持ってねぇよ」 「もってるのはしってるんだよぉぉぉ!! ころされたいのぉぉぉぉぉ?!」 「はやくだすんだぜげすじじぃぃぃぃぃ!」 お兄さんは何故か手を出さない。 理由は簡単、献血の後に激しい運動は禁物なのである。 成体ゆっくりにもなれば重さはそれなりにある、潰したゆっくりはゴミ箱へがマナーなのだ。 だからといってこのままというのも面倒である。 下手すればここを通る度に絡まれそうだ。 ふと、お兄さんは腕の痛みで良い案が閃いた。 少し凝った方法でこいつらを痛めつけてやろうと。 「すまんすまん、お菓子はもう全部食べちゃったんだ」 「ゆぎぃぃぃ! どれいのくせになまいきだよっ! しんでつぐなえっ!」 「すぐにまりささまがせいさいしてやるんだぜぇぇぇぇぇ!」 「まぁ落ち着けよ。今からお前らがたくさんのあまあまが手に入る方法を教えてやるからさ」 「ゆっ! ゆっくりしないではやくおしえろ! このくず!」 「はやくしないとえいえんにゆっくりさせるのぜぇぇぇぇぇ!」 お兄さんは怒りを必死に堪える。 ここで頭に血が昇ったらまた病院のお世話になりかねないし、なによりゆっくりの前だ。 ゆっくり特有のお気楽極楽超短絡思考回路によって。 “れいむのゆっくりっぷりにじじいがしんだよ!” “さすがゆっくりしてないにんげんだね! おぉおろかおろか” とか言い出して増長しかねない。 こういうゲスどものせいで必要のない被害が出ても困るのでお兄さんは必死に堪える。 「明日この公園に……あー、けんけつようすぃーが来るからさ、それに乗るだけでいいんだよ」 「それにのったらあまあまがもらえるんだね! さすがれいむだよ!」 「ほんとうじゃなかったらせいっさいっ! なのぜぇぇぇ? わかってるんだろうなくそどれいぃ ゆぁぁぁん?」 「……ああ、本当だ。たくさんのあまあまがもらえるよ」 こうして口八丁でれいむとまりさを宥め透かし、お兄さんは家へと戻る。 そして材料を揃えてゆっくりとその準備を始めた。 「材料はこれでよし、後はあいつに手伝ってもらうか」 お兄さんは携帯電話でどこかへと電話をかけ始めた―― そして翌日。 準備を完全に済ませたお兄さんは再びあの公園へと脚を運ぶ。 公園の隅では多くのゆっくり、れいむやまりさ、ぱちゅりーにみょんやちぇん、居るわ居るわゆっくりの群れ。 と、お兄さんの姿を見ると一匹のまりさが跳ねながら罵声を飛ばしてきた。 恐らく昨日のまりさであろう。 「ゆっ! おっそいのぜくそじじぃ! もうすこしおそければえいえんにゆっくりさせるところだったのぜぇ?」 「ああ、それは済まないね」 「むきゅ まりさ にんげんさんにそんなくちのききかた……」 「ぱちゅりーはだまっててね! このくそじじいはれいむとまりさのどれいなんだよ!」 「ぱちゅりーはくちのききかたをきをつけるんだぜぇ? まりさがにんげんさんにめいれいすればぱちゅりーなんてすぐなんだぜぇ?」 「むきゅう……」 「そうなんだねー まりさはすごいんだねー わかるよー」 「そんなこともわからないなんてぱちゅりーはとんだいなかものね!」 「ゆっくりできないおさだみょん! にんげんなんてゆっくりにはかなわないみょん!」 「ゆぷぷぷ ゆっくりできないおさのぱちゅりーはあとでれいむがたっぷりせいさいしてあげるよ!」 どうやらこの公園ではゲス化が進行しているらしい。 本来ぱちゅりーのようなゆっくりがこのような街では生きていくには賢いのだが。 お兄さんがそんなことを考えていると、あのまりさが大声で叫んだ。 「ほら! このまりささまのいうとおりだったんだぜ! こんどからこのまりさがこのむれのおさになるべきなんだぜ!」 ああ、とこれでお兄さんは理解した。 昨日このまりさを潰さなかったせいで、この群れのゲス化が一気に進んだのだ。 あのまりさが昨日の内に“にんげんをどれいにした”とか何とかを群れの連中に言いふらしたのだろう。 ゆっくりとは元来、人間をゆっくりしてないというわけのわからない基準を持って見下す愚かな饅頭だ。 そして見下すことにゆっくりを感じるという悪質極まりない性質を持つので一度相手を見下せるとなるとすぐに調子に乗る。 それがこの様だ。 もっとも、とお兄さんは集まっているゆっくりの外縁部に目を向けた。 「にんげんさんがまけるとはおもえないのぜ……」 「だめだよまりさ きこえちゃうよ」 「みんなとかいはじゃないわ……」 「おかしいんだねー わかるよー」 「おさのいうとおりだみょん にんげんをどれいになんてできるわけないみょん」 と、このように人間と力関係を理解しているものも居る。 お兄さんが鬼ではないが、だからと言ってゲスを見逃すほどでもない。 昨日生意気な口を利いたれいむとまりさを殺してしまえばそれでよかったのだが気が変わった。 少なくとも自分のせいで群れがゲス化したのだから、少しは群れの為になるようなことをしようと。 「よし、じゃああまあまが欲しいゆっくりはこのすぃーにのってねすぐでいいよ!」 とお兄さんは群れの前に箱を置いた。 かなり大きめのサイズのすぃーの上にこれまた大きな段ボール箱が置かれている簡素なもの。 側面にはご丁寧に成体ゆっくりサイズの扉が一つ付いており、入口には『けんけつじょ』なんてことまで書かれている。 「さぁ、あまあまが欲しいゆっくりはこの中に入ってね!」 お兄さんが叫ぶ。 我先にとゆっくりたちがその扉に突入しようとするものの、あの例のまりさが叫ぶ。 「まつんだぜ! わなかもしれないんだぜ!」 「どうしてそんなことを言うんだまりさ?」 「まりささまはしってるんだぜぇ? くそにんげんはゆっくりにかてないからいつもひきょうなてをつかってくるのは」 「おやおや、信用されてないね」 「どれいごときにだまされるまりささまじゃないのぜ! おい! れいのをつれてくるんだぜ!」 すっかり長気取りのまりさが叫ぶと一匹のみょんが茂みへと消えていく。 その様子を見ていて青ざめたのはぱちゅりーだ。 今にもクリームを吐きそうな勢いでおろおろしている。 「どうかしたのかぱちゅりー?」 「に にんげんさん あのこだけは……」 「どれいもぱちゅりーもだまってるんだぜぇぇぇ! せいっさいっされたいのぜぇぇぇ?」 まりさの一声でぱちゅりーとお兄さんに群れ中のゆっくりの視線が集まる。 多くのゆっくりの見下し侮蔑してくる目にぱちゅりーはクリームを吐きそうになる。 一方でお兄さんはどこ吹く風だ、当たり前である。 そこへ一匹のみょんが帰って来た。 頭に乗せているのは……なんとびゃくれん種の赤ゆっくりである。 「おさ! つれてきたみょん!」 「すぐにそのくずびゃくれんをなかにいれるんだぜ!」 「これも みほとけのさだめなのですね……」 「むっきゅううううう」 今にも吐きそうなぱちゅりー。 しかし、何故あのぱちゅりーはびゃくれんを庇うのか? びゃくれん種はいわゆる希少種であり、成体ゆっくりにもなればゆっくりでも一、二を争う強さを持つらしい。 更にはカリスマまで備えると言うのだからとてつもない。 そう、そういうゆっくりだからこそ、びゃくれん種には敵が多い。 まりさ種やみょん種は強さに固執するあまりびゃくれんを殺したがる。 ちぇん種はきめぇ丸程ではないにしても、自分より速いびゃくれんに嫉妬する。 ぱちゅりー種は自分より賢いびゃくれん種が気に入らないなど。 例を挙げればキリがない程びゃくれん種には通常種内には敵が多い。 それにびゃくれん種はゆうか種と同じお飾りを持たないゆっくりということもある。 これだけ述べたが産まれた場所が通常種の群れであっても、善良な群れならば共存するらしいのだが、どうにもゲス資質があったここの連中には土台無理だろう。 ならば何故びゃくれんが? 「おい、あのびゃくれんは誰の子だ?」 「むきゅう あのびゃくれんは……」 「すこしはまりささまのためにやくにたつんだぜくずびゃくれん! せめてものおやこうこうなんだぜ! このまりささまのためにしねてしあわせなんだぜ!」 「せっかくうんでやったんだからせめてれいむたちのためにしんでね すぐでいいよ!」 驚いた。 なんとあのびゃくれんはあのまりさとれいむの赤ゆだったのだ。 所謂チェンジリングという取り替え子。 しかし……何故取り替え子が、しかも何故びゃくれん種の赤ゆが生き残っているのか? 普通なら植物型妊娠なら間引くなりしそうなものなのだが。 それに“ぼせい”というれいむ種特有の同種優先主義なら尚更生まれる前に殺されていてもおかしくない。 いや、今はあのびゃくれんの出生は今はどうでもいい。 それに、あの箱の中にびゃくれんを入れたところで別にお兄さんは構わないのだ。 「さぁ! はいるんだぜこのくず!」 「みほとけはうえたとらにそのみをさしだしました ならばわたしも」 「ごちゃごちゃいってないではやくいけっていってるでしょぉぉぉぉぉ!」 びゃくれんが扉を開けて入って行く。 群れ中のゆっくりが固唾を飲んでその行く末を見詰める。 が、中からは何も声は聞こえてこない……。 一分、二分経っても中からは何も聞こえてこない。 ゆっくりたちがおかしいぞと騒ぎ始めそうになった時、お兄さんはゆっくりとけんけつようすぃーの上の蓋を開けて中の様子を見る。 「ありゃ、びゃくれん寝ちゃってるなぁ。そりゃあんなふかふかのベッドならすぐ寝てしまうよな」 そんなことを呟く。 これで安全であると証明されたも同然だ。 あのびゃくれんでさえゆっくりして寝てしまうのだ、ならばびゃくれんよりゆっくりしている自分たちがあの中でゆっくりできない筈がないと。 まりさを始めた多くのゆっくりたちが血走った眼で扉を凝視する。 しかし、外縁部の善良なゆっくりとぱちゅりーは見たのだ。 上の蓋をお兄さんが閉める瞬間に、何かをポケットの中へと入れたのを。 「これで罠はないってわかったね。じゃ、誰が入るの?」 「ここはれいむがいちばんだよ!」 「とかいはのありすにするべきだわ!」 「ちぇんにきまってるんだね わかれよー」 「みょんがさいしょだみょん!」 「しずかにするんだぜ!」 押し合いへし合い甲高い不快指数急上昇の大合唱を止めたのはあのまりさだ。 「ここはおさであるこのまりささまがさいしょにはいるんだぜ!」 「それはおかしいみょん! このみょんが――」 「このむれでさいしょにくそにんげんをどれいにしたのはだれなんだぜぇ?」 「みょん?!」 「じゃあいぞんがないならまりささまがはいるのぜ!」 典型的なゲスだな、とお兄さんは思う。 よくもまぁ、こんな妄想を根拠に話を進められる辺りゆっくりの凄さはあるのだろう、そうお兄さんは内心で皮肉る。 そしてまりさが箱の中に入って行く。 一分、反応が無い。 今度はゆっくりが騒ぎ始めるのは早かった。 もう安心だと緩みきっているから警戒心などないのだ。 どうせまりさは中でゆっくりと眠っているのだろう。 そう考えて次に入るのは誰かと争いだしたのだ。 「つぎはちぇんなんだねー わかれよー」 「つぎはありすにきまってるじゃないこのいなかもの!」 「ここはもりのけんじゃであるぱちゅりーよ! むきゅ!」 「なにいってるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 今度この騒ぎを止めたのはあのまりさの番でもある例のれいむだ。 「つぎはまりさのつまであるれいむのばんがふつうでしょぉぉぉぉ!? ばかなのぉ!? しぬのぉ!? ゆっくりしてないのぉぉぉぉぉ!?」 れいむの剣幕に誰もがたじろぐ。 愚か者ほど声が大きいと言うが、さもありなんと言ったところか。 「ゆふっ おろかおろか こんなこともわからないからばかはきらいだよっ! わかったられいむをしゅくっふくっするんだねっ!」 群れに妄言をまき散らしながられいむが扉の中へと入って行く。 そしてそのまま何もない時間が過ぎていく、わけがなかった。 れいむが箱の中へと消えて30秒後、突如中から叩く音がしたのだ。 何があったのか頭だけの全身を震わせる群れのゆっくりたち。 もちろん、お兄さんは訳知り顔で頷いているだけである。 「ああ、中のあまあまがなくなったんだんだね。すぐに補充するよ」 そう言ってお兄さんは近くのベンチに座っていたお兄さんに向かって手を振った。 そのお兄さんはめんどくさそうに立ち上がると、大きな袋を持ってきて一言。 「はいはい。あまあまの補充をしますよー。次誰が入るか決めといてねー」 とやる気のない声でけんけつようすぃーの上の蓋を開けた。 そして袋の中身を箱の中に入れて、また“何か”を袋の中に詰めていく。 そう、詰めているのだ。 何が詰められているのかはわからないが、あきらかに入れる前より蓋を閉めた時の方が袋が大きい。 それに気付いた者はごく僅か。 群れの長であるぱちゅりーをはじめとする善良なゆっくりたちと、このすぃーの仕掛け人であるお兄さんのみ。 明らかにゆっくりできない雰囲気を、長ぱちゅりーは感じ始めていた。 がちゃがちゃと騒いでいた群れのゆっくりたちも少しずつその数を減らしていった。 二匹消えるごとにあのお兄さんが補充すると言って袋に“何か”を詰めていく。 そして、今。 最後まで取り残されていた一匹のまりさが箱の中へと入って行く。 「まりさに始まりまりさに終わる、か」 お兄さんがそう呟いた時には、その場に居るのは極僅かなゆっくりのみ。 長のぱちゅりーと、それに従う賢い個体だけだ。 その群れというよりはただの集合体に近いそのグループを代表して、ぱちゅりーが声を上げた。 「お、おにいさん なかでなにがおこってるの?」 「ん? 気付いてたのか?」 「むきゅう いくらなんでもきづくわよ」 「そうか。まぁ見せても良いけど、中身を吐かないように気を付けてな」 「むきゅ? それってどういう――」 お兄さんがおもむろにすぃーの上に置いてあった段ボールに手を掛け、そのまま取り払う。 すぃーの上に乗っかっていたのは加工所特製透明な箱。 安くて頑丈更には防音加工済みという多くの人から愛されるベストセラーの一品だ。 そして、その中に居たのは長い銀髪を結い、赤と青のエキセントリックな帽子が特徴の胴無しえーりん。 これまた紫色の髪とウサギの耳のようなお飾りが特徴の胴無しうどんげが居る。 更には先ほど入ったばかりのまりさが―― 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!」 「な、な、なんで……」 「わぎゃらにゃいよぉぉぉぉぉ!」」 「どうしてふらんがここにいるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 ゆっくりにとって最凶にして最悪の捕食種、胴付きふらんがまりさの餡子を吸い上げていた。 お兄さんは親切にも箱の上部を取って中の声が群れ全体に聞こえてやるようにする。 中から聞こえてくるのは悲惨な最期を知らせるまりさの声だ。 「ゆ゛……ずわないで……あんござんずわ……」 「うー! うるさい!」 「……ゆ゛っ!」 「ふらん! もういいわ」 「うー。わかった」 「うどんげ。これでさいごだから、おねがいね」 「はい、おししょうさま」 うどんげの赤い眼が光り、餡子を吸われてすっかり細くなったまりさの目と合う。 瞬間、まりさが急に活力を取り戻す。 「まりさ……さまはぁ……さいきょうっ! なのぜぇ……」 どうみても致死量クラスの餡子を吸われている筈なのにそんなことを呟きだすまりさ。 だが、さすがに限界が来たのかそれ以上をまりさが話すことはなかった。 光の灯っていない、死んだ眼で虚空を見つめるばかりだ。 「終わったか?」 先程から袋持って往復していたお兄さんがやってくる。 「ああ。終わったよ」 「じゃあ俺はこいつらを連れて帰るからな」 「そうか。ありがとよ」 「いいさ。素材が増えたしな」 「すまないな、群れの処理まで押し付けて」 「気にするな。半分は趣味だ」 趣味が仕事だからいいんだよ、そう言って補充係の役目をしていたお兄さんがまりさを袋に詰める。 そして取り漏らしが無いかを確認する。 「よし、忘れ物は無し。じゃ、帰るぞ」 「うー。わかった」 「うどんげ、いきなさい」 「はい! ではいきますよ!」 袋を持ったお兄さんの後ろをふらんが飛び、えーりんとうどんげがすぃーに乗ってついて行く。 残されたのは仕掛け人のお兄さんと残ったゆっくりのみ。 訳が分からないと言う風にぱちゅりーはお兄さんに尋ねる。 「むきゅう? どういうことなのにんげんさん?」 「どういうことって? この群れからゲスは一掃され、一斉駆除の危機は遠ざかり――」 「むきゅっ!? いっせいくじょってどういうこと!?」 「あんな人様に迷惑をかけるようなゲスまりさとれいむの番が居たんだ。下手すりゃお前ら一斉駆除だぜ?」 お兄さんは群れが如何に一斉駆除の危険に晒されていたかをぱちゅりーに説いてやる。 あのまりさとれいむの番が自分に何を言ってきたか、群れがゲスの資質を持っていたことの危険性。 人間の気まぐれや考え方などをなるべく噛み砕いて教えてやる。 全てが理解できたなどとは到底思えない。 だが、如何に危険な状態であったかはぱちゅりーにもできていたようだった。 「むきゅ……むれもだいぶへったけど むれのみんながいなくなってないだいじょうぶよね」 「そうだ。これから頑張ればいい。あ、そういえば……あのびゃくれんはいったいなんだったんだ?」 「むきゅ それははなせばながくなるわ……」 ぱちゅりーの話を要約すればこうだ。 あの赤びゃくれんは間違いなくあのれいむとまりさの番だそうだ。 例の二匹はこの群れ一番のゲスであり、ゆっくり殺しから他ゆんの食糧強奪、果ては家の乗っ取りに破壊等々。 悪行の数々を行っていたが決定的な証拠は出さず、長でも手を出せないようなあくどい個体だったらしい。 そんな個体だからこそ、食料を大量に貯め込むことが出来たから二人が行った妊娠は……。 「胎生妊娠か」 「そうなの」 街ゆの多くは胎生型妊娠より植物型妊娠を好む。 植物型は多産であり、赤ゆが生まれるのも早いからだ……というのは半分正解だ。 実際は間引きやすいからである。 赤ゆというのは何より無駄飯食らいの低燃費だ。 無駄に動き、無駄に泣き叫び、無駄にエネルギーを消費しては食事を求め泣き叫ぶ。 だから間引く。 赤ゆが減ればその分必要とする食事量は減り、親にも赤ゆにも食事が行き渡り生存率は高くなる。 それに比べて胎生妊娠は母体にかかる負担も大きいながら、母体がより多くの食事を求めるという困った事態がある。 赤ゆは生まれた時から子ゆサイズに近く、生存確率も高いがやはり赤ゆ並みの無駄飯食らい。 さらに母体は妊娠期間中はもちろん、出産後にも多くの食事を必要とするケースが多い。 その為に全体的に見ると胎生型妊娠よりも間引きを前提とした植物型妊娠の方が必要食事量は少ないのだ。 これも、まったく学ばないとされるゆっくりが街に生き延びる上にようやく獲得した知恵である。 話を戻そう。 「そうか。でも胎生型妊娠をするのは他にこの群れではなかったんだろう?」 「そうよ いきるために だからみんなめずらしがったの」 「で、自分がゆっくりする為に群れに言い触らしたのか」 「むきゅ そのとおりよ」 ゲスという個体は何よりも自分がゆっくりすることを史上とする。 だから、群れ中の他ゆんから尊敬と羨望の眼差しを得る為に胎生型妊娠を行った。 もちろん自分たちがゆっくりするだけの食糧をあらゆる手段で集めた上で。 だが、その結果生まれたのが、取り替え子である赤びゃくれんだった。 「潰そうとしたんだろうな、当然」 「むきゅ でもそのときにはむれじゅうにしゅっさんのほうこくがいきわたっていたから……」 「潰せなかった、か」 ゆっくりにも最低限のルールはある。 その一つが同族殺しだ。 群れに所属するゆっくりが同族殺しを行えば、それは即座に制裁の対象となり殺されるのが当然だ。 だがもちろんこれにも例外があり、植物型妊娠中の実ゆを殺しても同族殺しにはならないという。 学者の間では最初の挨拶が親と子供の間で成された時にゆっくりとして生まれた、と判断されると唱える者も居る。 それはさておき。 「そう そこでびゃくれんをあのまりさとれいむがつぶしたらゆっくりごろしとしてせいさいするつもりだったわ」 「成程な。なんとなく読めて来たぞ」 今まで好き放題していたまりさとれいむにぶつかったのは赤びゃくれんという小さくとも巨大な壁だ。 赤びゃくれんはゆっくりできない、しかし殺せば群れに殺されるのは明白だ。 それにびゃくれんを産んだ、というびゃくれんなんかを産んだゆっくりとして内心、他の群れのゆっくりから侮られていてもおかしくない。 ゆっくりできない、だがその原因である赤びゃくれんを殺せば自分が死にゆっくりできなくなる。 そのジレンマの中でフラストレーションが溜まり、その果てに……あれだけのゲスが軽率にも人間の前に姿を現した。 そういうことだ。 「むきゅ だからあのまりさがにんげんさんをつかってびゃくれんをころそうとしていたのはすぐにきづいたわ」 「そうだろうな。肩の荷が降りるかのように罵倒してたし」 「でも にんげんさんはびゃくれんをたすけたんでしょ?」 「ん? まぁな」 そう言ってお兄さんはポケットから赤びゃくれんを出す。 ハンカチにくるまれたびゃくれんは深い眠りについていた。 「ほんとうわね びゃくれんにしんでもらってはこまるの」 「どういうことだ? お前らの大体は――」 「とりかえこのゆっくりをそまつにあつかうとばちがあたるっておかあさんからきいたことがあるの」 「……なんだって? そんな事が伝えられてるのか?」 「そう こううんだからこそ いきのこるためにたゆんをぎせいにするんだって」 「じゃあなんで取り替え子は幸運を呼ぶってことになってんだ?」 「だって みんなしあわせなら ゆっくりするでしょ そしたらじぶんもゆっくりできるからじゃない?」 まさかぱちゅりーに物を教わることになるとは思わなかったお兄さんだが素直に感心する。 ぱちゅりーの言ってることはつまり『情けは人の為ならず』という諺の通りだ。 他人に掛けた情けが巡り巡って自分へと戻ってくるというのが、取り替えは幸運を呼ぶという伝承の正体なのだろう。 逆に粗末に扱えばそれが巡り巡って自分に戻ってくるとは、よくできている。 いや、そう考えると『因果応報』という方が正しいか。 「で、この子はどうする……って、群れには居にくいか」 「そうね できればにんげんさんがつれていってくれたらありがたいっていうのがぱちぇのほんねなの」 ぱちゅりーは溜め息を吐いた。 そこには、群れをまとめることの苦悩に満ち溢れていた。 「ほんとうはみんなそのこをせいさいしたがっていたの でも とりかえこだからぱちぇにはそれがゆるすことができなくて だから」 「群れもストレスを溜めてゲス化の下地を作ってた、って訳か……」 「ゆっ! おにいさん!」 「おいおい、急にどうした?」 ぱちゅりーとの会話を神妙な顔で聞き入っていた他のゆっくりたちが割り込んでくる。 どうしたというのだろうか。 その顔つきからは決心したという表情がありありとわかる。 まさかまだゆっくりできないから殺せというよなゲスが居るのか、とお兄さんは思った。 が、その予想は大きく外れた。 「おちびちゃんはわるくないよ! れいむはそうおもうよ!」 「そうなんだぜ! まりさもそのおちびはおなじゆっくりだとおもうんだぜ!」 「でも ほかのみんなはりかいしてくれなかったんだよー わからないよー」 「みょんもちょっとへんかもとおもうけど だからといってころしていいりゆうにはならないみょん!」 「けれどもここにいてはいなかものにころされるかもしれないから おねがい にんげんさんのかいゆっくりにしてあげて」 「むきゅ ぱちぇからもおねがいするわ」 そう言って皆が頭を地面にこすり付ける様な土下座をする。 さすがのお兄さんも呆然とした。 多くの野良が憧れる飼いゆっくりの座を、このびゃくれんが得るように頼むと言うのは異例といってもいい。 何か打算的な心があるのかもしれないが、考えの全てを口に出すようなゆっくりがこうも黙って土下座し続けるのは尋常ではない。 お兄さんは別にゆっくり全てが嫌いなわけではない。 善良であったり、分を弁えているものまで潰すような真似はしない、だから。 「わかった。俺が責任を持って育てる」 「むきゅ ありがとうおにいさん」 ぱちぇに続いて他のゆっくりからもありがとうの言葉が贈られる。 相変わらずの甲高い声であったが、不思議と不快感のない声であった。 「まぁ、たまにはここにも様子を見に来るから。一応こいつの生まれ故郷だしな。なんかあったら言ってくれ」 「むきゅ ありがとうにんげんさん」 「言っとくが、俺はゲスには厳しいからな」 「それはしっかりとわかったわ それじゃあね にんげんさん」 「またな」 そうしてお兄さんは再び赤びゃくれんをポケットの中に入れて、家の方へと歩き始めた。 公園のゆっくりたちも茂みの中へと帰って行き、各々の生活へと戻っていく。 お兄さんのポケットの中で眠る赤びゃくれん。 彼女は幸運を持ったゆっくりであることに間違いはないであろう。 今はただ、生まれて初めての温もりを感じてゆっくりと眠るだけである。 「そんなわけないのぜぇぇぇ!」 お兄さんの背中から声がする、ヤバい、と振り返るより前にまりさの体当たりがお兄さんの脚に当たった。 そのままの態勢で前へと倒れ込むお兄さん。 道に倒れ伏すと同時に、赤びゃくれんはお兄さんの胸板とアスファルトに挟まれて一瞬で生涯を終えた。 それはまだマシな方だろう。 これからお兄さんにはまりさの制裁が待っている。 あの、最初にふらんに食われたはずのまりさがお兄さんの上に乗っていた。 憤怒の形相、例え何を言っても許さないと言う表情で。 「どれいのぶんっ! ざいっ! でまりささまをだましてぇぇぇ! しねっ! しねっ!」 「や……やめっ……!」 「うるさいのぜぇ! さいっ! きょうっ! のまりささまじゃなければいまごろしんでたのぜぇ!」 「がっ……!」 まりさに背中で跳ねられてお兄さんの肺には息が入らない。 命乞いも許されない、折れた肋骨が肺に刺さり口からは血の泡が吐き出され始めていた。 とてつもない激痛の中、お兄さんは今までの生涯を思い出す。 生まれてから死ぬまで随分と短かったが、どうしてあんなことをしてしまったのだろう。 もったいぶらずにお菓子を上げてさえいればこんなことには……。 目の前が真っ暗になっていく―― 「ゆふーようやくしんだのぜ ばかなどれいなんだぜ おとなしくまりささまのいうことをきいておけば」 遂に動かなくなったお兄さんの上でまりさが一息つく。 そしてその憎悪は次の目標へと。 「つぎはあのむれなんだぜぇ もうゆるさないのぜぇ ぜんゆんをすっきりどれいにしてすっきりしさせてやるんだぜぇ……!」 殺しをしたことで気が立っているのか、まりさのぺにぺにが小さく立ち上がりはじめていた。 この憎悪をどうしてやろうか。 ただそれだけをまりさは考えて跳ねていく。 全ては復讐の為、正義は我にあるかの如く咆哮する。 「ぜっっったいにっ! ゆっくりさせてやらないんだぜぇぇぇぇぇぇ!」 「うー! おきろ! ゆめはおしまいだ!」 「ゆっ!?」 どこからか声がした。 愚かにもまりさに危害を加えようとして返り討ちにしてやったふらんの声だ。 何故だ、なぜ生きている!? まりさは混乱する。 「うー! うしろをみろ!」 声に言われるまま振り返る。 そこに居たのは先ほど自分が殺したはずのお兄さんだ。 何故、どうして、殺したはずなのに何故あいつは立っている、なぜ大事そうにあのびゃくれんを抱えている!? まりさは跳ねていく、もう一度殺してやろうと。 だがその前に、あの、殺したはずのふらんが現れた。 「どくのぜ! ふらんなんかまりささまのあいてにならな――」 「うー! じぶんのすがたをよくみてみろ!」 「……ゆ? ゆ ゆ ゆ ゆわわわわ!」 まりさの身体。 まりさのあんよは動かない、まりさの綺麗なおさげはどこにもない、自慢の帽子はどこにもない、流れる様な金髪も既にない。 ない、ない、ない。 まりさにはすべてがない。 何故か。 まりさは全て思い出してしまったのだ、目の前のふらんに全てを取られたことを。 「―――――! !!」 全てを思い出したまりさは喋れない。 そんな元気は既にない。 まりさを象るものは中枢餡とほんの少しだけ残った餡、それだけだ。 「うー! しぬのはおまえだ!」 根源的な恐怖、種としての恐怖、本能に刻まれた恐怖が捕食種ふらんと相対したまりさに襲い掛かる。 次に来るのは痛み。 薄い皮はふらんの打撃を抑えるには何の役にも立たず、中枢餡に直接その痛みを伝える。 人間で言うなら薄皮一枚の下の神経網に火箸を当てられるようなもの。 想像を絶する痛みがまりさに襲い掛かる。 声にならない叫び、思考はまとまることもなし。 中枢餡が非ゆっくり症を引き起こし吐餡を引き起こしても、それを起こすために必要な餡子はない。 口をすら開くこともできない絶望。 最後の望みはふらんに中枢餡を破壊されることだが、ふらんの絶妙な力加減は中枢餡を破壊せず、死の安寧すら許さない。 正に地獄。 死ぬよりも恐ろしい責め苦を、まりさは味わっていた。 「はっはっは、そうか。あの赤ゆは元気か」 公園の群れのゆっくりたちの多くを連れて帰ったあのお兄さんは誰かと電話をしていた。 その周りには七匹ものの胴付きふらんが飛び回っている。 「なに、お前の話のおかげで面白い“夢”が見させられたよ。はっはっは、そう怒るな。あいつは今、責めてる最中だしな」 その後二言三言言葉を交わすと、お兄さんは電話を切った。 受話器を置いてえーりんに話しかける。 「どうやらこいつらがやる気らしい。耐えれそうなのはいるか?」 「はい。12ばん、38ばん、45ばん、78ばん、79ばん、81ばん、90ばんのゆっくりがだいじょうぶかと」 「よーし、いってこい」 「うー!」 「おにいさん、あんまりおおいとうどんげのふたんになるので……」 「わかってる。今日は無茶をさせても大丈夫だろ? また数日のスパンを取るさ」 「ええ。わかってくださってるならいいのです」 そうしてえーりんは他のゆっくりたちの様子を見て回る。 そこにいるのはれいむにまりさ、ぱちゅりーにちぇんやみょんといったゆっくりたちが多く居た。 彼女らは様々な理由でここに来た。 彼女らは皆、ふらんに死ぬギリギリ前まで中身を吸われている。 しーしーもうんうんも出せないほどに中身を吸われ、死ぬ手前でありながら、異様な事に彼女らは皆至福の顔で微笑んでいる。 ただ、阿鼻叫喚地獄さながらの叫び声をあげる八匹のゆっくりたちを除いて。 ここはゆっくりにとっての地獄と人は言う。 えーりんはゆっくりにとっての医者である。 だからこそえーりんにはゆっくりの死ぬ寸前を見極められる。 その指示を受けてふらんはゆっくりの中身を吸い上げるのをやめる。 そして出来上がるのが薄くなったゆっくりだ。 えーりんはゆっくりたちが死ぬか死なないかを見極め、死なないように管理する。 うどんげはその真っ赤な「きょうきのひとみ」でゆっくりたちにやすらぎを与える。 必ず覚める残酷な、しかしとても優しく美しい偽りの夢。 その夢の中でゆっくりたちは幸せを感じ、ゆっくりと過ごすことが出来る、 だからここのゆっくりたちは死なない。 夢の中で食事も、排泄も、すっきりもすべて思いのままなのだ、永遠に究極のゆっくりを味わうことが出来る。 だがその夢が覚めれば彼女らは現実へと戻ってくる。 ふらんはその現実への案内人。 ふらんの声で目が覚めるように、ゆっくりたちには暗示がかけられている。 彼女に一声かけられれば夢は醒め、現実を理解し、地獄を思い出す。 そして次に訪れるのは拷問。 限界のその先、死の一歩手前を強制的に維持させた上での拷問を永遠に続けていく。 一匹のありすが、そんな地獄の中で幸運にも死を迎えようとしていた。 ふらんの打撃が、少しばかり強すぎたのである。 それでも尚、打撃を与えようとするふらん。 遂に死を迎えると思われたその時、えーりんの一声がふらんの腕を止めた。 えーりんがうどんげを呼び、うどんげは死に体のありすと目を合わせる。 「も゛っ……ゆ……」 「うどんげ!」 「はいっ!」 「ゆっ………………ゆぅ……」 ありすはうどんげの力によって再び夢を見始めた、砂糖菓子のように、甘く、美しく、そして儚い夢を。 死なないように、されど回復し過ぎない絶妙な量のオレンジジュースをえーりんはありすに注射する。 これで、ありすは生き延びることになった。 この部屋の中で、またいつか起こされて、痛みに晒されることが確定したのだ。 誰が言ったか、この部屋はゆっくりにとっての地獄である。 だがそれは逆に言えば、良質な餡が取れると言う事でもある。 ゆっくりはゆっくりできなくなるほど中身の餡が甘くなっていく。 逆にゆっくりするとコクが深まり、味が良くなっていくという性質を持つ。 しかしゆっくりしすぎると甘みもコクも薄れていくが、この部屋では心配ない。 ゆっくりし過ぎる前に、ゆっくり達は夢の世界から覚めるからだ。 そうしてこの部屋からとられた中枢餡はとてつもない値段で取引されている。 だからお兄さんは彼らを養ってやれる。 この部屋で平穏に死ねるゆっくりは八匹のふらんとえーりんとうどんげのみ。 他は全て、お兄さんが興味を失くすか商品にすると決めたゆっくりしか死ぬことはない。 この部屋の主はお兄さん、誰が呼んだか吸血鬼鬼威惨。 理由は八匹ものふらんを飼っているからだとか、自分は何もせずに利益を吸い上げているからだとか。 だが、合理的な人間だとも言われている。 ゆっくりの相手をゆっくりにさせ、人の相手は自分でする。 そんな吸血鬼鬼威惨はとあるれいむとまりさを見る。 れいむは今、幸せな夢の中に居て、隣のまりさはふらんに痛めつけられている。 あの番のゲスゆっくりだ。 あのゆっくりの最後を、吸血鬼鬼威惨は既に決めている。 友人がこれから飼う、あの赤びゃくれんが死んだ時にあのゆっくりは殺してやろう。 うどんげにその幸福な一生を見させた後に、その命を終えさせてやろう。 そして、この部屋の存在理由を教え込んだ上で、無価値に死んでもらう。 そう考えると、吸血鬼鬼威惨はコーヒーを一口飲んだ。 ―了― 初投稿です。 いきなり再投稿をやらかしてしまい申し訳ありませんでした。 献血してきたのでそれの小ネタにしようとしたらいつの間にかこうなりました。 次はびゃくれんを愛でたいです。 制作・投稿に辺り作家交流チャットの方々には大変お世話になりました。 この場を借りて御礼を申しげたいと思います、本当にありがとうございました。 お目汚し失礼しました。
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かわいくて ごめんね! 2KB 漫画にしようとしたけど最近左腕がおかしいので、ネタ振りとして投下 オチなし 一晩経って件の透明ケースを覗いてみると ちょうど親れいむから三匹の赤ゆが産まれ落ちた 「「「ゆっくち(ry」」」 「ゆぅ~ん れいむの あかちゃん とっても かわいいよぉ♪」 嬉し涙を垂れ流している親れいむの側で そっくりのリボンを付けた赤ちゃん達が元気に挨拶をしている ひとしきり頬擦りを終えて落ち着いたのを確認してから、ケースの上蓋を開き声を掛けてみた 「ゆっくち! にんげんしゃん ゆっくちしちぇにぇ!」 ぴょんぴょんと跳ねて回っては初めて見る大きい人間に興奮しては うれしーしーまでしている赤ちゃん達を優しく撫でてあげた 指に纏わり付いたり接吻ラッシュはとてもこそばゆい 「れいむの あかちゃんは いちばん かわいくて ゆっくりしてるんだよ! れいむの たからものだよ!」 『確かに とっても可愛らしい赤ちゃん達だ…』 母親以外からの賛辞を受けて調子に乗ったのか なにやらテレテレと"もみあげ"をほっぺに丸めてこんで恥ずかしがった後 くるっと向き直り眉毛をキリっとさせて俺に言い放った 「きゃわいくて ごめんにゃちゃい!」 『許さん』 ゴジュッ! 「ゆ…ゆゆ!? れいむ おちびぢゃんがぁあああああああああ!! どぼじでこんな(ry」 拳だけでも赤ちゃんの数倍もある質量が振り下ろされた結果 ケースの底面に綺麗な餡子の花を咲かせた 『可愛くて ごめんなさいだと? 俺は断じて許すつもりはない』 「どぼじでぇえ!? どぼじでなのおぉぉぉ!? れいむの おちびぢゃんは なにぼ わるぐないのぃぃいい!!!」 『そうだ、何も悪くない。ただ謝られたから許さなかっただけだ。何か問題でも?』 「かわいいれいむから うまれた おちびちゃんなんだから かわいくたって しょうがないでしょぉおおお!?」 『別に可愛いのはまったく構わない。お前のチビが許してくれと懇願してきたから拒絶した。それだけだ。』 『そっちのチビも俺に謝りたいのか?』 振りかざした俺の手には、先ほどの赤ちゃんのカスで不気味に彩られている 滴る汁粉が真下の赤ちゃんに垂れた時、親れいむが俺の手を押しのけ立塞がった 「ずびばぜん! ずびばぜん! あかぢゃんの いっだごとは ぜんぶでいぶが わるいんでず!!!!」 『…』 「ぢゃんど よいごに ぞだでまずがら ゆるじでぐだざい! おねがいじばす! ゆるじ― そして残った2匹の赤ちゃん達は、何もしゃべれらなかった 姉妹と親を亡き者にした人間に暴言なんて吐いてしまえば、きっと容赦なく叩き潰されるであろう 両手を餡子をこびりつけかせた姿に怯えて無条件に謝ってしまいそうだが、眼前の死が声を押し留める 同属の中身が滴る指先に擦り寄ったり、媚びへつらう表情を作る余裕もない おそろしーしーにアンヨを濡らした一匹を拾い上げて 『何か言いたい事はあるか?』 by キーガー・フレテール 「かわいくて ごめんね!」って可愛いよね 可愛いから手を出しても仕方がない トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓これ -- 2017-04-12 11 05 29 可愛いのは霊夢 可愛くないのがれいむ種のゆっくり -- 2014-07-30 19 25 43 見てきたまでで一番笑ったWWWWWWWWW -- 2013-07-13 16 06 00 可愛くってごめんね=死ね!!! -- 2013-06-28 21 14 04 れいむの「かわいくってごめんね!!」は死亡フラグ。 -- 2013-06-21 20 48 35 気に障ったら痛めつける、それがゆっくりの存在価値 -- 2012-12-13 06 41 19 ちぇん>>>>>越えられない壁>>>>>>れいむ -- 2012-10-30 12 47 18 ざけんなぁぁぁ何が可愛いだ可愛いのはゆっくりゆうかとちるのとめーりんとちぇん(以下略)だ -- 2012-07-28 01 22 33 かわいいですって⁉パルパルパルパルパルパルパルパル -- 2012-07-23 04 42 44 7↓ごの時点でそれだと分かったらすごいですよ! -- 2012-05-20 15 05 18 6↓「きゃわいくっちぇご(ゴスッ 想像したらワロタw -- 2011-12-06 19 45 17 ↓↓最初にマンガにするつもりだった、オチのないネタフリとして投稿って書いてあったのに評論家気取るのやめてくれない? -- 2011-10-31 18 44 02 俺のなかではそのセリフ吐く糞=ゲスと位置付けてる 作者さん左利き? -- 2011-10-06 22 53 52 短いし起承転結がなってねぇ -- 2011-09-14 01 12 25 かわいくないゆっくりに限ってこれ言うよな -- 2011-07-11 17 01 26 いいはなしだ -- 2011-07-03 20 05 21 たしかにかわいくてごめんねはうぜぇよな・・・ 俺ならごめんのごで潰してるわw -- 2011-02-13 08 01 00 ゆくっり謝罪=虐待☆www -- 2010-09-10 19 56 40 「イラッ☆」 は、赤ゆの為にある言葉だと思うw -- 2010-09-06 07 11 21 仕方ないね -- 2010-06-17 01 07 51
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スワプリン≫当地 【スワプリンの一生か】 春4月頃 生まれた幼生はお玉杓子のよに球体で尾があり テニスボール程度サイズしかなく 体質は風船プリンのよださ 皮膚はゴムのよである程度丈夫だが 鋭利なもので傷つくと中身が漏れだし皮だけになり やがて死に至る 1ヶ月ほど水中で過ごすが その間に石などに付いた苔やミジンコを摂取して生活す 生後一ヶ月後 陸に上がり、木など高所を探し登って 手頃な場所を見つけと 尾を使い、枝等に垂れ下がり 身体な肌色を木に近い色に球体部を オワン形に風貌を変え硬化し蛹なる その状態で過ごし一週間後ほどで上部に亀裂割れさ 中に空気が入り 成生となた中身が落下する 着地により蛹な底辺が割れに崩れても 一分ほどで元の形状に戻れるで問題ない 身体を形成したら上部から眼二つ出す 防御性が高くに両目を収納し硬化して待機すか 軟化により衝撃を受け流す 陸上生活を中心に過ごし 身体が渇くと水に入る 幼生時代と同様泳ぎは得意でか 水陸両用で過ごせ最大2時間潜水可能 水中でも餌を得ることが可能さ 餌は主に昆虫を食べるが 自分に危害を喰わえるもの全般も食べることもある さっそく赤ゆが食べ掘る傷口さ しかし内部で赤ゆ両側から押さえ 出られないよう傷口を閉めていき、 回復するころには胎内へ吸収さる 時には自身より獲物を捕らえ喰らうこともあるとう ゲスが潰しにかかっても平気だ 潰れた身体でゲスを押さえ身動きをとれなくし 元通りながらゲスを飲み込んでいく しかし中核枢は食べず ユクリを丸ごと食べても 中核枢は吐き出し廃棄する ユクリは中枢核が致命傷でない限り死ぬことはないため 数日間は生き続けるぞ なぜスワプリンは中核枢だけ吐き出すのかは不明だが 専門家によると自身に危害を喰わえたら こうなるという 生かし忠告と推測される 水中では主に苔や魚(メダカ、鮭のみ)を捕えて生活す 黴に弱く、一度感染すると死ぬ しかし侵食する前に黴た部分を切り捨てることで生き延びれる 黴対策は大半が日光に定期的に当たるなど万全である 底辺は翼に変形でき、皿に見せかけに硬化も可能 伸ばした底辺で鷹並に飛行も可能さ 雌雄同性で同種同士なら どの個体でもよいのだい 秋頃に交尾を始める 交尾を受け入れた側が草陰に卵を産む 両成生は子育てせず解散し それぞれの居場所に帰る その後も命が続く限り生き続ける 卵は茶色くゴツゴツした表明な球体でパチンコ弾程度のサイズに それは強烈な匂いを放つが 他の種には塩の香にしか感じないが さくや種だけを誘う特殊な匂いとなっているだ 甘くないけど嗅いだ途端中核枢を刺激し よくわからないが美味しそうで 我慢できない魅力的な香を放つため 草陰に隠れ排泄る さくやがソレを摂取することで胎内に侵入成功す 口に入るとナメる度甘い汁を流し出し摂取を促す 卵が小さいため噛潰されづらく 卵自体固いためにさかみ砕きにくい 潰されても一日で元通りさ これにより妨害がなければ若干100%が摂取る 食べられなくても卵は仮死状態を保ち宿主を待ち続ける 他種が喰らうこともできるが匂いもとい味も苦めで 大抵マズサに吐き出してしまう 無理に飲んでも消化されることなく 排泄物に混じり排泄されるが 再び宿主を待ち続ける 一方侵入成功したら二週間で幼生が孵化する 幼生は球体でBB弾程度のサイズしかない さくやの思考を読み取るために 中核枢近くに居場所を造り 自身の身体から繊細な針を出し中核枢刺すが 宿主であるさくやには無自覚となるため気づきにくいため 寄生しながら一ヶ月間過ごすがさ 身体が未熟なため周囲の内容物の一部を取り込んでいく 幼生の身体はカラメルソースで守られてるため消化吸収されない 生後から約一ヶ月起つと宿主である さくやが排泄するのを見計らい外へ出る準備をする まずま水辺へ出るため さくやの中核枢に潜り込み思考を支配す 既にさくや自身は意識なく、 胎内の幼生によって水辺へと導かれ 完全着水したら沢山なる幼生が さくやの排泄肛からカラメルソース塗れながら排出される 生まれて初めて外に出た幼生はこうして生涯を始めるけど 宿主となった さくやはどうなったか? 用済みになった宿主は溺死します 幼生によって中核枢を侵食された時点で 既に死んでいたも同然だ さくやの死骸は水にバラバラ溶けてながら幼生や魚などの餌になります さくやの餌化は宿主への感謝の現れであるとされる 基本的にさくや寄生るが 稀に他種寄生るものもいる 卵の内は内側から見えぬが 電磁波を使い宿主を選べり 対象宿によて香や味を変えるのもできる ちぇんならチョコプリンと、 バリエーションも豊富だが 色違いという理由で差別はしない 全個体が脳天気だから 大破しても分裂しに増殖する 食われても身体の一部さえ外に 残ってれば1日で再生する すわこを名乗るのはまた別の話ら 多量発生もあるというん。 成過程! ざっとん見るとこんな感じ。 * スワプリンぬ生態図
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塩焼き砲2号/sioyaki cannon 2 このテンプレのメリット 理想パターンのパフェ見やすい LZやJS始動で組める このテンプレのデメリット 8.33%で2巡目が事故る 準理想パターンのパフェ率が低い
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『ゆっくりお月見』 9KB 虐待 小ネタ 調理 赤ゆ 子ゆ 独自設定 ネタかぶりなどあるかもしれません。その際はご容赦願います。 素晴らしき設定とネタを築き上げた先達に感謝を捧げます。 『ゆっくりお月見』 湯繰里(ゆっくり)市の市街地にある、一軒の和菓子屋の調理スペース。中秋の名月のこの日、早朝から店主以下、職人達がせっせとお菓子作りに精を出していた。 「どうしてこんなこんなことするのぉぉぉぉ!?ゆっぐり!ゆっぎりぃぃぃぃっ!」」 「やめてね!れいむはかわいいおうたがうたえる───ゆぎゃああああ!」 「まりさは!まりさはかけっこがいちばんはやい───ゆぴぃぃぃぃぃぃっ!」 そこはゆっくり共の阿鼻叫喚があふれる場と化していた。 職人たちにとって、ゆっくりが歌を歌おうが、足が速かろうが関係ない。重要なのは新鮮か否か、こし餡かつぶ餡か、白玉は採れるのか、それだけである。もちろん彼らも和菓子職人の端くれ、小豆から餡を作る方法、白玉の作り方だって、当然のごとく熟知している。 しかし、ここにはいくつかの道具を除き、ゆっくりを責め立てるための道具しかない。そう、この和菓子店では加工所産の食用ゆっくりを仕入れて『月見団子』と『月見饅頭』の量産中である。ちなみに彼らはゆっくりを『汚饅頭』とか『ゴミ饅頭』などとは決して言わない。饅頭は彼らがその腕と誇りを持って作り上げる菓子だからである。野良ゆっくりは『生ゴミ』と呼ぶ。 まず『月見饅頭』の作り方から見てみよう。 「や゛め゛て゛ぇ゛え゛ぇ゛!も゛う゛お゛ち゛ひ゛ち゛ゃ゛ん゛つ゛く゛り゛た゛く゛な゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛っ゛!!」 「ま゛り゛さ゛の゛!ま゛り゛さ゛の゛お゛ち゛び゛ち゛ゃ゛ん゛か゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ゛!!」 勘のいい方はもうお気づきであろう。母体となるゆっくりに足焼きをおこなって動きを封じた後、母体に加工所製精子餡(まりさ種・れいむ種)を注入して、成長促進剤(大層な名前がついているが、成長ホルモン剤ではなく業務用の濃縮オレンジジュースである)で次々、赤ゆっくりを産ませては、産まれたはしから奪っているだけである。もちろん胎生型ではなく、すぐに産まれ、数が稼げる植物型である。額にはすでに茎が10本ほど生え、産まれる大きさに達したものから次々と産まれ落ちてゆく。 産ませたものを売るだけなら子供にもできる事。商品にはならない。そこに和菓子職人ならではの技術があるのだ。たったいま産まれ落ちようとしている、まりちゃとれーみゅで、その過程をご覧いただこう。 「まりちゃが!まりちゃのひかりかがやくおうごんっのさくせすすとーりーさんが!いま!はじまりゅのぜぇぇぇっ!!まりちゃ、うまれりゅぅぅぅっ!」 「ゆゆ~ん!かわいいれーみゅがうまれりゅよ!せかいのすべてにしゅくっふくっされて、かわいいれーみゅがうまれりゅよぉぉぉっ!」 他にも数匹、大同小異のセリフを吐いてボールの底に敷かれた布巾の上に落ちる。 「ゆっくりちちぇいっちぇね!ゆゆ~んっ!」×2 例のまりちゃとれーみゅは、それぞれお下げともみあげをブンブンと振り、あるいはワサワサと揺らして、お決まりの声を上げた。そこで2匹のゆっくりとした時間は終了である。2匹は和菓子職人のひとりにさっと掴まれて、ステンレスのパッドの上に移される。 「ゆゆっ!?」 「ゆぅぅ!?」 2匹ともワケが分からないうちに、今度はお飾りを奪われた。読者諸兄はよく御存知の通り、ゆっくりにとってお飾りは命の次に大事なもの。この2匹も例外ではない。 「ゆぁぁぁぁっ!まいちゃの!まりちゃのかっきょいい、ちぇんにもとどく、ゆっくちしたおぼうちしゃん!かえちてね!」 「ゆんやぁぁぁ!れーみゅの!れーみゅのあかくかがやくゆうひしゃんよりもかぎゃやきゃしいおりぼんしゃん!かえちてぇぇぇx!」 その場でまりちゃとれーみゅはぴょんぴょんと飛び跳ねて抗議をするが、そんなものなんの効果もない。2匹は続いて、その職人の手にふたたび掴まれた。まずはまりちゃからである。今度は先ほどの掴み方と違い、まりちゃを左手で包むように持ちまりちゃと職人の顔が向かい合う。そして職人は片手に耳かきのような形の竹ベラを手にしていた。 「ゆ?まりちゃおそら───」 まりちゃはその言葉を言い終える事は無かった。その竹ベラが素早くまりちゃの右の眼窩に挿し込まれ、そして引き抜かれると同時にまりちゃの右目を崩す事無く抜き取っていた。アマギリである。続いて左目にも同じ事がおこなわれる。そのスピードはおよそ1秒強。熟練した職人ならではの技である。そして、職人はまりちゃを元のステンレスのパッドの上に戻す。 「ゆ?…ゆゆ?どうちて…まっくりゃなのじぇ…?たいようしゃん、ゆっくちちないででてきちぇね!でちぇこないと、まりちゃのおちょーしゃんにしぇいっしゃいっちてもりゃうよ!」 これはよくあるゆっくりの現実逃避ではない。あまりの早業にまりちゃの餡子脳はまったく現状を把握できなかったのである。 一方のれーみゅはと言うと、現状を理解してしまっていた。隣にいたまりちゃが居なくなったと思ったら、上から何かが落ちてきた。そして目の前にあるそれは、2つの目玉だったのだから…。 「ゆ…ゆぁぁぁぁぁっ!」 れーみゅは恐怖の声を上げるが、それも同じように遮られ、そしてまりちゃと同じ作業を施されたのだった。 「どおちて、まっくりゃなままなの…?おきゃーしゃん…おとーしゃん…どきょ…?」 「れーみゅのおめめ…ほしさんがきらきらかがやく、ゆっくちしたおめめ…」 産まれ落ちてわずか15秒足らずで、2匹はお飾りを奪われ、目玉を刳り貫かれ、パッドの上を力なく這いずり回るだけの存在と化していた。だが、これで終わりではない。 再び2匹は掴まれて運ばれる。周囲の見えない急な浮遊感は、2匹に恐怖心しかもたらさない。 「ゆ、ゆんやぁぁぁぁぁぁっ!!」×2 2匹はそろって悲鳴を上げ、大口を開ける。そこに、冷たい金属の棒が差し込まれ、中をぐるりと一周する。 「ゆびぃぃぃぃぃぃっ!!」 「ゆばぁぁぁぁぁぁっ!!」 すると、まだ形ばかりの歯が砕かれてすべて欠け落ちた。歯触り・喉越しを良くするために、砂糖細工の歯を除去したのである。この作業は2匹同時におこなわれ、およそ3秒で終了した。だが、まだ工程はあるのである。 続いて2匹はパッドごと隣りに移される。そこでは鮫肌のようなザラザラした表面の手袋を両手にはめた職人が待機している。この手袋はゆっくりを食品に加工する人ならば誰でも知っている『ゆっくり皮むき手袋』である。 まずはまりちゃが掴み上げられて、おにぎりを握るように、ギュッギュと両手で揉まれる。 「ゆ…ぴっ!」 両手の間から、まりちゃの悲鳴が一瞬上がる。そして別のステンレスのパッドの上に乗せられた時、そこには、微かに震えるこし餡の塊しかなかった。そう、すべての髪・皮を失っても、まりちゃは活動を停止せず『生きて』いたのだ!素人がやると、子ゆっくりならまだしも、生まれたての赤ゆっくりでは押し潰してしまうか、髪や皮をうまく除去できない。この絶妙な力加減が職人の技と経験である。 「まりちゃ…どきょ…?」 見えないながらも、近くに感じていたまりちゃの気配が消えた事に気付いたれーみゅ。そのれーみゅを3度目の浮遊感が襲った。 「ゆあぁぁぁぁっ!」 れーみゅは髪を引きちぎられ、もみあげを引き抜かれ、全身の皮を削り落とされて、まりちゃとは別のパッドに置かれる。そこには同じように皮を剥かれつぶ餡をさらけ出したれーみゅがずらりと並んでいる。無論、まりちゃの側も同じである。このまま2匹は全身を襲う激痛に苛まれながら3分間放置され、その後、別の職人の手によって最上質の小麦粉を溶いた液を全身に塗られて、蒸篭に移された。その先にあるのはもうもうと湯気を立てる蒸し器である。 「赤ゆの月見饅頭、できたてですよ~!」 店の前に立ち呼び込みの声を上げる見習いの声は明るく、その声に顔を向ける人々は笑顔を浮かべた。 さて『月見団子』は白玉団子に限る、という方も多いであろう。湯繰里市においてもそうである。ゆっくりの目玉は白玉(地域によっては寒天)であるが、1匹につき2個しか採れないという欠点がある。目玉である以上仕方が無いと言えるかもしれないが、それをこの店では見事に解決した。さきほど『月見饅頭』の製造過程で出た赤ゆっくりの目玉を使うのである。 もちろん、このままでは利用できない。この目玉を成長期の子ゆっくりの体表に移植するのである。 「……ゅ……っ…!」 作業台の上にお飾りはおろか、髪をすべて無くし、足焼きされ、口を縫われた子ゆっくりがいる。ステンレスのパッドに乗せられたそれは何種か分からないが、子ゆっくりとは言っても大きめでソフトボールよりひとまわり大きい。 それに職人は直径1cm弱の細いステンレス製の筒を差し込むと、すぐに引き抜いた。当然、そこにはぽっかりと円いえぐれた穴が開く。 「……っ!……ゅ…ゅ…!」 ふるふると震える子ゆっくり。 職人は先ほどアマギられたまりちゃとれーみゅの『おめめ』、直径1cm弱しかない脆弱なそれをそっと菜箸でつまみ上げる。そして、穴にその『おめめ』を押し込んだ。正面を間違える事無く、瞳が外を向いている。職人は目の周囲を菜箸で整えると、同じ作業を繰り返していった。 すでにこの子ゆっくりには30あまりの『おめめ』が移植されており、それが機能している事を示すように、すべての目に砂糖水の涙が浮かんでいる。これは移植が成功しないと起こらない現象である。 やがて移植の余地が無くなると、職人は裏の別室にその目を移植されリアル蓮コラージュと化した子ゆっくりを運び出した。 その部屋では足焼きされ、口を縫われ、お飾りを奪われ、ハゲ饅頭となった同じ大きさの子ゆっくりが何匹か透明な箱に入って、無言のまま涙を流し続けている。職人は入れ替わりに新しい子ゆっくりを受け取り、移植済み子ゆっくりを別室に居る職人に渡す。 この別室に居る職人は、受け取った子ゆっくりに先端が鋭い針になった管を差し込み、管に付いたプラスチックのバルブを緩める。この管は成長促進剤こと業務用の濃縮オレンジジュースがたっぷり入ったタンクに繋がっており、その液が子ゆっくりに強制的に注入される。その効果によって、急激に子ゆっくりの身体は成長を始める。そして、その生長に合わせるように移植された赤ゆっくりの目玉も大きくなる。 通常ではあり得ない急激な生長に、子ゆっくりは身悶える。その苦痛が涙となって滴り落ちるが、それさえ集められて、みたらしの素材になるのである。およそ10分で子ゆっくりの身体は成体と同サイズになり『成熟』を迎える。そのような子ゆっくりが、何十とずらりと並んでいる。 後はいつもの手順である。ヘラで自前のものと移植された目玉をアマギり、それをパックにきれいに並べるだけである。みたらし、きな粉の入った小さなパックを付けて店先へ。 「すいませ~ん!団子ください。1パック」 「へい!300円です。毎度ご贔屓に、ありがとうございます」 「やっぱ月見団子は『甘霧団子』に限るぜ!ヒャッハー!!」 今年も中秋の名月に合わせて、この店の名物を買いにくる鬼威惨の姿は絶えることが無い。 〈了〉
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「ふたば系ゆっくりいじめ 821 路地裏(後)/コメントログ」 オバサン面白いね。「美味しいモノを作りたい」という探求心を動機に虐待するのは後味が悪くない。 弱い者イジメ的な性格の強い虐待は気持ち悪いからな。こういう美味しく食べるための虐待はいい。 -- 2010-07-12 23 16 38 面白かったよー -- 2010-07-18 22 24 05 口調だけならぴーすに所属してそうなオバサンなのにな このキャラはなかなかにいい -- 2010-07-31 10 48 12 「ぱちゅりー」になってる部分と 「ぱちぇりー」になってる部分がある 統一すべき -- 2010-09-08 01 40 14 虐待叔母様www ゆっくり虐待一家とか登場しないかな〜 -- 2010-09-17 12 03 12 面白い設定だったなー 食道楽のための実験だったんだねーわかるよー -- 2010-11-07 19 04 25 おもしろかったけど 赤ゆも入れれば100体近くもいる町中では稀有な群という設定があまり活かされてなかったな -- 2011-09-12 00 21 10 ババアアアアアアアァァァァァァァアアアァァァァアァ!!!!! -- 2011-10-17 00 34 42 俺は制裁はで理由のないただ虐めたいという虐待からは、人の醜さしか見えなくてひどいものでは胸糞悪くなったが、 今回の食材として、という風な理由がある虐待は、むしろ気持ちがよくて、実際にいたら応援しているだろうと思うこともある。 -- 2011-10-27 02 04 24 まさかの虐待オバサンでビックリwww ザマスは伏線だったのか! ↓君はゲームやスポーツを観ても胸糞悪くなる、ビーガン系の人かな? 「ストレス解消の虐待」や「生きるための殺生」がダメなんだよね? 生きるのが大変そうだね。 -- 2018-03-19 22 59 04
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『我儘なゲスはしんじゃえ~ 後篇』 14KB 虐待 制裁 自業自得 飼いゆ 赤ゆ 子ゆ ゲス 虐待人間 まさかのエピローグあり あらすじだよ! あらゆるゆっくりの我儘を許してきた愛でお兄さんもついに我慢の限界だった! さあ!鬼威惨のパーフェクトゆ虐教室がはじまるよー!! 現在のゆっくりの数 親れいむ:1 親まりさ:1 成体ありす:1 子れいむ:2 子まりさ:2 子ありす:2 赤れいむ:5(前篇で一匹圧死) 赤まりさ:2 赤ありす:2 【虐待鬼威惨ができるまで(我儘なゲスはしんじゃえ~編)】後篇 手のひらに餡子が付いている。舐めとるとそれは甘かった。 「さて、どうしよっかな~」 鬼威惨は笑みを浮かべていた。これから起こる楽しみを企てながら。 壁に激突し、気絶しているれいむを放っておいて台所に向かっていった。 そして数分後、鬼威惨は手に何かを持って帰ってきた。そう、ゆっくりを虐待するために。 「みゃみゃー!!おきちぇよぉぉぉ!!」 「ぺーりょぺーりょ!」 自分のいる部屋には親れいむと子れいむ、赤れいむ。しきりに母親を心配している。親れいむは依然、壁にぶつかって以来気絶したままである。 隣の部屋にはまだ寝ているゆっくり達がいる。取りあえず起こしに行くことにする。隣の部屋ではありすやまりさ達がすやすやと寝ていた。ゆっくり達が寝ているのを確認した鬼威惨は手に持ったものを高く振りかざし、ぶつけた。 カァンカァンカァン!! 「ゆっ!!?」 「なんなのじぇ!!?」 「うりゅしゃいいい!!」 鬼威惨が持っていたのはフライパンとお玉。それをたがいに打ち鳴らしたのだ。 お寝坊さんな奴も飛び起きる音が鳴り響く。全身が聴覚器官であるゆっくりにはたまったものではない。次々とはね起きる。 「さー!!皆さん朝ですよー!!起きろー!!」 「やめりょぉぉぉ!!」 「うるさいのぜぇぇぇ!!」 「やめろいなかものぉぉぉぉぉ!!」 「アーアー聞こえなーい!!もっと大きな声で言ってみろぉぉ!!」 カァンカァンカァンカァン!!! 「うりゅしゃいぃぃぃ!!ゆっくりできにゃぃぃぃ!!」 「起きろ寝ぼすけ共ー!!」 「ゆぎぎぎぎ・・・っぷぅあ!!?」 「おじびじゃぁぁん!」 とうとう赤まりさが餡子を吐き出した。赤ゆっくりはまだ皮が薄いのだから音のダメージが深刻なのだろう。次々と赤ゆっくりは餡子やカスタードを吐き出していく。 親ゆっくりと子ゆっくりはまだ大事には至っていない。だが可愛い妹やおちびちゃんのもとに駆け寄ろうとするが自身も動けないでいる。 「ゆぎぃぃ!やめろぉぉ!どれぇぇい!!おちびちゃんたちがゆっくりでぎなぐなるぅぅぅ!!」 「ぱ~どぅ~ん?」 「ゆがぁあああああ!!」 そしてついにその時が来た・・・ 「ゆげぽぉお!!」 「もっちょゆっくちちゃかっちゃ・・・ぴゅげろぉ!」 「おじびじゃぁぁん!!!」 「いやぁぁ!!こんなのとかいはじゃないわぁぁぁ!!」 赤ゆっくりたちが永遠にゆっくりし始めた。床には次々と餡子とカスタードがぶちまけられる。子ゆっくり達も限界が近いようだ。歯茎を食いしばって必死に耐えているが餡子を吐き出すのも時間の問題だろう。 すると、ふと鬼威惨が足もとに鈍い衝撃を感じた。 「ん?」 見ると親まりさが自分の足元に体当たりをしていた。 子供のためといえどもあの騒音の中動き、なおかつ体当たりを仕掛けてきた親まりさに驚いた鬼威惨はフライパンとお玉をぶつけるのをやめた。とたんに子ゆっくりたちが歯を食いしばるのを止めた。 子ゆっくり達とありすは既に疲れ切った様子だった。 「じねぇぇぇぇぇ!!おぢびじゃんをごろじだげずなじじばゆっぐりじないでじねぇぇ!!」 静かになると親まりさの苦悶に溢れた雑言が響いてきた。 すると鬼威惨は親まりさの頭に手を伸ばし、帽子を奪い取った。 「!!がえぜぇ!ばりざのおぼうじをがえぜぇぇ!!」 途端に喚き始める親まりさ。ゆっくりはおかざりを取られるのを極端に嫌がる。鬼威惨はゆっくりを虐待したことはなかったがある日、仕事場の同僚が虐待について話していたのを聞きかじったときに聞いたのだった。当時はとんでもないことだと思っていた。が、今となっては鬼威惨はその話を聞いておいてよかったと思っていた。 「どーしよっかなー」 わざとらしく帽子を掲げる鬼威惨。親まりさは必至の形相である。 「がぇぜぇぇ!!」 「やだもーん!こうしちゃえー!!」 ビリビリビリィ! 鬼威惨は躊躇うことなく帽子をびりびりに引き裂いた。親まりさは茫然とそれを眺めるばかりだった。 「おぼうし・・・・・うわぁぁぁあああ!!まりさのおぼうしがあああ!!!」 「おお!丁度いい雑巾だなこりゃ。それ!ごーしごーし!」 「やめろぉぉぉおお!!ばりざのおぼうじでおちびちゃんだじをふぐなぁぁ!!」 「意外と使えるゆっくりっくる!使い捨て!使い終わったら・・・・・ゴミ箱にシュート!!」 カコン 「わああああああああああああああああああ!!!」 くしゃくしゃに丸めたゴミはゴミ箱に見事に入っていった。まりさは砂糖水の涙をこれでもかと撒き散らすことしかできなかった。 「ごめんなまりさ。これお詫びにやるわ」 お兄さんはぼうしに付いていたリボンを申し訳程度にまりさの頭にちょこんと乗せた。 「ゆわあああああああああああああああ!!!」 「さーさー!みんなお隣の部屋に行こうね!そーれ!!」 ボムボムボム! 「おしょらゆげぇ!」 「おぢびじゃんぎゃぽっ!?」 「とかいはっ!!?」 疲れ切ったゆっくり達を蹴り飛ばして隣のれいむ達がいる部屋に鬼威惨は案内した。 隣の部屋では復活したれいむ達が鬼威惨に怒りの目線を向けていた。すると鬼威惨はニヤニヤしながられいむ達の所へ歩み寄っていった。 「どうしたんだい?そんな怖い顔しちゃって」 「ゆ!こわいもなにもないよ!おちびちゃんをよくもころしたね!せーさいするよ!」 「れいみゅおこっちぇりゅよ!ぷきゅーしゅりゅよ!」 「げすなじじいはぷくーでしね!!そのあとせいっさいしてころすよ!」 「げすなにんげんはゆっくりしね!」 「「「「「ぴゅきゅー!!」」」」」 「はっはっは!こわくもなんともないぞ?それがぴゅきゅーなのか?」 「ちがうぅぅ!!ぴゅきゅーだぁ!!ぴゅきゅー!!」 赤ゆっくりはぷくーと言いたいらしい。だがぴゅきゅーでもぷくーでも変わりはない。たかがゆっくりが頬を膨らまそうが人間は何ともない。その必死さが可笑しいと思うぐらいなものだろう。 「そりゃ!」 「ぴゅk!!?」 「ゆびゃ!」 「きゅぴょっ!」 「ぴゅっ!!」 「ぱあ☆」 飽きたお兄さんは赤ゆっくり達の頭上にフライパンを振り下ろした。当然、赤ゆっくり達が耐えられるはずもない。奇妙な断末魔をあげ永遠にゆっくりしていった。 「おじびじゃんがぁぁぁ!!」 「フライパンが汚れちまったなー・・・おっ!丁度いい布巾があるな!」 むんず 「ゆ!?おそらをとんでるみたい!」 「それごしごし」 「いじゃいいい!!あんよさんすれるうううう!!」 「おねーちゃぁぁん!!やめろどれぇぇいい!おねーちゃんをはなせぇぇ!!ぷくー!!!」 「何だ?お前もやりたいのか?いいぞ」 がし 「おそら・・・ぎゃあああああああ!!!」 「綺麗になったな。よっしゃ!シュート!!」 ぽーい・・・どさっ! 「くさいいいいいい!!うんうんさんはゆっぐりでぎないいいい!!」 「ゆげぇぇぇぇぇ!!」 晴れてれいむ姉妹は仲良くゴミ箱行きとなった。今朝取った分のうんうんとさっき捨てた死臭のこびりついたおぼうしのせいで大いに苦しんでいる。もう先も長くないだろう。 それを見ているゆっくり達はみな顔が・・・まあ、全身が顔なのだが青ざめていた。 突然鬼威惨が手を鳴らす。 パンパン! 「さぁさぁここでディナータイムでございまーす!!馬鹿なお前らのためのあまあまのじかんだよー!」 「ゆ!あまあまさん?」 「おいどれい!はやくあまあまさんをもってくるのぜ!」 「「「「あまあま!あまあま!!」」」」 「はやくしてよねいなかもの!」 このゆっくりたちは本当に自分の置かれた状況が分かっているのだろうか。さっきまで青ざめていた顔はあまあまを期待する嬉々とした顔に変っていた。 すると鬼威惨は子ありすを姉妹を鷲掴みにした。 「「おそらをとんでるみたい!!」」 ありす達が間抜けな台詞を呟きながら机の上に乗った。 「いなかもののどれいはさっさとあまあまをもってきてね!!」 「とかいはなありすたちがたべてあげるわよ!!」 「いやいや、それはないだろう」 「なにをいっているの?」 「あまあまになるのは君たちだからだよ」 「へ・・・・・・・・」 言うが早いか鬼威惨は加熱していたフライパンに子ありすのあんよを押し付けた。 「ゆっぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!ありすのとかいはなあんよがああああああ!!!あづいあづいいじぬうううううううううううう!!!!!どれいいいいたずげろおおおおお!!!」 「まーまーそんなに騒がないで、ゆっくりしていってね!!」 「ありすのとかいはないもうどになにじでるのおおおお!!はやぐやめろおおおおお!!」 「え?加熱処理だけども何か?」 「おぢびじゃああああん!!」 「じゃまくさーい!」 ドガッ! 「ゆぎぼっ!!」 蹴っ飛ばされた親ありすはれいむと同じく壁とちゅっちゅした。 そんなこんなで親たちが慌てふためいている間にも子ありすの加熱処理は終了した。子ありすはもう動けない。ゆっくりの移動機関であるあんよは今やこんがりを通り越して真っ黒焦げに炭化していたからだ。 「おまたせー!子ありすの丸焼(レア)だよー!生きのいいうちにゆっくり召し上がれ!」 「おぢびじゃあああああ!!!」 「おかーさん!!いだがっだよぉぉぉぉ!!」 「ありす・・・・・」 「おいくそどれい!どうしてこんなことするの!」 「え?俺何か悪い事した?」 「したよ!たいせつなおちびちゃんをよくもころしたね!!せいっさいするよ!!」 「へぇ、せいっさい?勝手にしとけよ。いったっだきまーす!!」 ガブリ 「いじゃいいいいいいい!!!」 「う~ん、この暖かい焼き立てほやほやのカスタードが何とも言えないですな!!」「シェフになれますよ貴方!才能ありますって!!(裏声)」 「うわああああ!!おじびじゃあああああん」 「うっめ!これめっちゃうっめ!あれ?お前たち食べないの?せっかく作ったのに」 「たべられるわけないでしょぉぉぉぉぉぉ!!」 「ふーん。じゃあ俺が貰うね!」 「おそら・・・」 ガブ 「いだいいいいいいいいい!!」 「はふっはふっ!美味い!しあわせだああああ!!」 「「もっと・・・ゆっくり・・・したかった・・・」」 「あぢびじゃあああああ!!」 「ふぅ。おいしいおちびちゃんありがとね!また食べたいな!」 「わあああああああああああああああ!!!なんで!なんで!なんで!!!」 「どうしたのそんなに叫んで?あ、食べちゃまずかった?」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおお!!!」 ありすはわからなかった。何故この奴隷、人間が自分にこんなことをするのかが。ついさっきまでは従順な奴隷だったのに。愛する我が子を殺され、食べられた事が。 それを聞いた鬼威惨は笑顔のままありすのもとに近づいた。途中、れいむとまりさ達がおびえていたが鬼威惨は気にも留めずにありすにむかって話しかけた。 「ほー。本当にわからないんだな?自分が何故こんなことされるのか」 「そうよ!なんでこんなことをするのよ!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 「あやまれ!しんだおちびちゃんとありすにあやまれ!それとどれいははやくしんでね!それといしゃりょうにあまあまをたくさんよこせ!!」 「あ゛?」 ガッ!! 「ゆぶっ!?」 ありすの顔が凹んだ。鬼威惨の強烈なストレートが顔面に命中したからだ。鬼威惨の顔からは笑顔が消え去っていた。かわりに鬼のような形相がそこにあった。 「あ゛あ゛?てめぇ本当に自分が何をしたのかわかってねぇのか?オラァ!!」 ドムッ! 「ぐぇぼっ!!」 「挙句にあまあまよこせだぁ?はっ!とんだ屑饅頭だな」 「ぐへぇぇっ!ごほぼぶぅぇぇぇぇ・・・」 カスタードと涙を流すありすの髪の毛を掴み、こちらを恐ろしげに見ているゆっくり達に鬼威惨はありすの顔が見えるように置いた。 顔は潰れかけ、おまけにカスタードと砂糖水のせいで余計ぐずぐずになっていた。 すると鬼威惨はどこからともなく金網を取り出した。正方形の穴が無数に開いたそれを団扇のようにして鬼威惨は自分にむけて扇ぐ真似をしてこんなことを言った。 「今日は暑いな」 「びゅぅ・・・・ふびゅぅ・・・」 「ま、都心に近いせいか。今夜は熱帯夜だなもう10月だってのに」 「ぼう・・・・やべで・・・・」 「所で俺はところてんが好きなんだ。あのちゅるちゅるッとしたやつがな。喉越しがよくてな」 「ありずに・・・ひどいこと・・・」 「そこで!今日はお前らにところてんをごちそうさせてやろうと思う。たっぷり召し上がっていけ!!」 「あああああ・・・・・・・」 鬼威惨は金網をありすの頭部に軽く当てた。トンっと小さな音が鳴る。そして・・・・ 「ふん!!」 ダンッ!! ありすの体はところてんのごとく1cm四方に短冊切りになり、そこらに散った。 「ゆ・・・ゆ・・・・ゆぎょぉぉぉ!!」 「ぎゅぴぃっ!」 子まりさ達が餡子を吐き出し始める。ショッキングな光景に親れいむ達も顔が真っ青になっている。人間が全身ばらばらになった光景を子供に見せたようなものなのだから無理もない。だが、鬼威惨は笑顔で言った。 「ささ、召し上がれ!!」 傍らにはカスタードまみれの金網が置いてあった。 「ああ、ごめんごめん。取り皿を持って気忘れちゃったね」 そう言うと鬼威惨は台所にまた歩いて行った。親れいむとまりさはその間必死で我が子を舐めていた。 「ゆぶぶぇ・・・」 「ゆっ・・・ゆっ・・・」 「おちびちゃん!あんこをはいちゃだめなのぜ!!」 「いやぁ!おちびちゃぁぁん!あんこさんはいたらゆっくりできなくなるよ!!ぺーろぺーろ!!」 「たっだいまー。ん?なにやってんだお前ら?」 親まりさは即座に判断した。鬼威惨が帰ってくるなりそこに顔をつっぷして土下座をした。 「おにいさん!ごめんなさい!!」 「はぁ?」 「いままでごめんなさい!!あやまります!だからおちびちゃんをたすけてください!!」 もうこれ以上酷い目に会いたくない。人間がこんなに強いと思っていなかったまりさはこれ以上苦しみを味わいたくないがためプライドを捨て、人間に助けを請い、この場をどうにかしようと考えた。 「いいぞ」 「ぼんどうでずがあああ!!ありがどうございまずううう!!」 「ほれ」 チョロチョロ・・・・・ 「・・・・・・ゆっくりー!!」 さっきまでよわよわしいうめき声をあげていた子まりさが復活した。鬼威惨のかけたオレンジジュースによって餡子が幾分か組成したからだ。 「ゆゆ~んおちびちゃんがゆっくりしたよぉ」 「おあかーしゃん!ゆっくりしていってね!!」 「ゆゆ~ん」 「おにいさん!もうひとりのおちびちゃんにもおねがいするのぜ!!」 「やなこった」 「え・・・・・・・・・・・・・・・・」 「どぼじでぇぇぇ!!?」 「そ!そうなんだぜ!」 「ま、お前らの行動によっちゃ考えてやってもいいがな。カー!美味い!バ○リース!!」 「こ?こうどう」 「ああ」 「ど、どんなことをすればいいのぜ?」 「そうだな・・・・・」 しばらく考えた鬼威惨は突然邪悪な笑みを浮かべ、こう告げた。 「まりさ、これを見ろ」 「ゆ?」 すると鬼威惨はれいむの頭を押さえると手で振動を与えた。 「ゆゆゆ?・・・・・・ゆふ~ん」 すると発情したれいむがぺにぺにをふるいたたせた。 「まりさ、このれいむのな・・・・・・・ ぺにぺにを噛みちぎれ」 「へ?」 「聞こえなかったのか?このれいむのぺにぺにを噛みちぎれと言ったんだ」 「な・・・そんなことできないのぜ・・・」 「へー。じゃあこいつは死ぬな。おーい子まりさ!ぱぱはおまえを見殺しにするらしいぞー」 「そん・・・にゃ・・・・・ぴゃぴゃ・・・・」 「ゆ!?ゆゆっゆ!ゆゆ?」 「まりさぁぁぁすっきりしようよー」 「・・・・・・・・・」 「さあどうする?」 「れいむ・・・ごめんなのぜ」 ブチィ! 「いうあ・・・・ゆっぎゃあああああああああああああああ!!!」 噛みちぎられたれいむのぺにぺにがあった場所から餡子が流れ始めた。 「ばりざああああああ!!なんでぇぇぇぇえええ!!?」 「ごめんなのぜれいむ・・・・でもおちびちゃんを救うにはこれしか・・・・さあ!おにいさん!やくそくどうりおちびちゃんをたすけてね!」 「わかったよ」 プシュ! 「くれてやるよ・・・・」 チョロロロ・・・・ 「ゆ・・・」 「特製のにがにがをな!!」 「ゆぶぇぼっふああぁあああぁっぁああ!!?」 「!!?」 鬼威惨はかけた。子まりさに・・・・・・・コーヒーのブラックを。 大量の苦味をその身に浴びたまりさは一瞬でその命を失った。 『もっとゆっくりしたかった』 の台詞も吐けずに・・・ 「おじびじゃあああああああああああああああああああああああん!!!」 鬼威惨は終始笑顔であった。 現在のゆっくりの数 親れいむ:1(生殖器使用不能) 親まりさ:1(おかざりほぼ消滅) 子まりさ:1 【虐待鬼威惨ができるまで(我儘なゲスはしんじゃえ~編)】後篇 おわり 【虐待鬼威惨ができるまで(我儘なゲスはしんじゃえ~編)】エピローグに続く ダーク♂過去作品 anko2473 我儘なゲスはしんじゃえ~ 前篇 anko2468 タタタタタタタタ